当院看護師が医師・医療従事者向け講演会で発表しました ―「患者さんに寄り添う」を、あらためて考える機会に

院長の澤木秀明です。

2026年9月12日、大阪市内で開催された「第29回淀川リバーサイズ糖尿病カンファレンス」に、当院スタッフとともに参加してまいりました。この会は、糖尿病診療に携わる医師・看護師・管理栄養士・臨床検査技師など、多職種の医療従事者が学び合う場として毎回多くの気づきをいただいているのですが、今回はうれしいご報告があります。

当院の看護師であるXさんが、一般講演の演者として登壇し、「『どうありたいか』に寄り添う」と題して発表を行ってくれました。

患者さんの「本当の思い」に気づいたこと

発表の中でXさんは、日々の診療を振り返りながら、あるとても大切な気づきを率直に語ってくれました。当院が目指す「患者さんがクリニックに来るのが楽しみで、安心、笑顔、幸福に満たされた人生を送ること」というビジョンと、実際に外来で接する患者Yさんの思いとの間に、まだ埋めきれていない距離があるのではないか、という気づきです。

そこからXさんが導き出したのは、次のような姿勢でした。

  • 治療がうまくいかず落ち込みがちな患者Yさんの気持ちに、まずしっかりと耳を傾け続けること
  • そのうえで、「あなたの体を本当に心配しています」という気持ちを、きちんと言葉にして伝えること
  • 患者さんご自身が立てた目標に向かって、そばで支え続けること

傾聴するだけでは足りない。かといって、心配な気持ちを伝えるだけでも足りない。この両方を、患者さんの歩幅に合わせて続けていくことが、私たちが目指す医療の姿なのだと、あらためて言葉にしてくれたように思います。

院長として、日々忙しい外来の中でスタッフがここまで患者さんと真剣に向き合ってくれていることを知り、大変感激し、心から感謝の気持ちでいっぱいになりました。

当院の宝は、間違いなくこうしたスタッフの存在だと感じています。

 

血糖を「見る」から、生活を「支える」へ ― CGM・PHR・AIの可能性

同じカンファレンスでは、岡山済生会総合病院 糖尿病内科 診療部長の利根淳仁先生による特別講演「血糖を”見る”から、生活を”支える”へ ― CGM・PHR・AIでひろがる糖尿病チーム医療 ―」も、大変学びの多い内容でした。

印象的だったのは、「CGM(持続血糖モニター)は数値を管理するための道具ではなく、患者さんの生活を理解するための道具である」というお話です。

血糖の曲線を見ていて「いつもと違うな」という気づきがあったら、そこをしっかり聞いていく。そして食事・運動・睡眠・不安といった生活の背景につなげ、チームで支援していく。「気づく・聞く・つなぐ」という考え方を、看護師・管理栄養士・臨床検査技師・薬剤師それぞれの得意分野を生かしながら実践していくというお話に、深くうなずかされました。

また、A1c(ヘモグロビンA1c)という一つの数字だけでは見えてこない低血糖・高血糖のパターンを、TIR(血糖が目標範囲内にある時間の割合)やTBR(低血糖の時間)といった指標で丁寧に確認し、特に高齢の方には「安全に血糖をコントロールすること」を最優先にするというお話も、日々の診療にそのまま生かせる内容でした。

そして、パーソナルヘルスレコード(PHR)やAIを活用したアプリで、血糖・食事・運動・体重などの生活記録を可視化し、ご本人が自分の生活を振り返りながら医療者と共有していく、そんな時代がすでに始まっているというお話にも、大きな刺激を受けました。

当院でもCGM(リブレ2やDexcom G7)を用いた血糖管理を行っておりますが、「数値ではなく、生活を支える道具として使う」という視点を、これからの診療にさらに生かしていきたいと感じています。

患者さん一人ひとりの「ニーズ」に向き合う診療体制

もう一つ、みかんの花クリニック院長(愛媛県) 新谷哲司先生による「糖尿病患者のQOL向上を目指したクリニック診療体制と外来動線の工夫」というご講演もご紹介します。

このクリニックでは、受付から検査、問診、診察までをできるだけ少ない動線でまとめ、患者さんの身体的な負担を減らす工夫をされていました。さらに印象的だったのは、年に一度「お誕生日アンケート」を配布し、検査や指導、通院間隔、待ち時間などについて、患者さんご自身の本当の希望を確認しているという取り組みです。

検査をできるだけ多く受けたい方もいれば、できるだけ受けたくない方もいる。

注射治療に前向きな方もいれば、強い抵抗を感じる方もいる。糖尿病治療への向き合い方は、本当に人それぞれです。だからこそ、一人ひとりの価値観やニーズを個別に確認しながら、一緒に治療の形を考えていくことが大切なのだと、あらためて実感しました。

おわりに

今回のカンファレンスを通じて、医療は数値やデータだけで完結するものではなく、患者さんお一人おひとりの人生に寄り添うことこそが本質なのだと、あらためて感じることができました。

澤木内科・糖尿病クリニックでは、これからも患者さんが安心して、笑顔で過ごせる毎日を送っていただけるよう、スタッフ一同チームとなって支えてまいります。治療のことでも、生活のことでも、気になることがございましたら、どうぞお気軽にスタッフにお声がけください。

澤木内科・糖尿病クリニック
院長 澤木秀明

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