1型糖尿病の暁現象に関する論文が、国際誌『Endocrine Journal』に掲載されました

院長の澤木秀明です。

当院も参加させていただいたFGM-Japan研究(1型糖尿病の方のCGMデータを用いた国内多施設共同研究)から、1型糖尿病の「暁現象」に関する論文が、2026年10月31日、日本内分泌学会の英文誌『Endocrine Journal』にAdvance Publication(早期公開)として掲載されました。

暁現象とは、明け方から朝にかけて、ホルモンの働きなどで血糖値が上がりやすくなる現象です。

この研究は、国立病院機構京都医療センター臨床研究センターの坂根直樹先生、村田敬先生をはじめとする研究チームにより、国内10施設が参加して行われました。当院は、患者さんのデータの収集で参加し、院長の澤木も共著者に加わっています。

暁現象の論文の著者一覧。院長・澤木秀明の名前と所属に線を引いた画像
論文の著者一覧。院長・澤木秀明は第12著者として名を連ねています(所属:Sawaki Internal Medicine and Diabetes Clinic, Osaka, Japan)
出典:Endocrine Journal(©The Japan Endocrine Society, CC BY-NC-ND 4.0)

研究の概要をご報告いたします。

  • 1型糖尿病の成人265人の、約90日間のCGM(持続血糖測定)データ(夜間低血糖のあった日を除く20,422日分)を解析
  • CGMの測定誤差も考慮して推定した暁現象の頻度は、平均約3割(30.5%)で、人によって約2%から約88%まで大きく異なりました
  • 男性、HbA1cが高い方、肝臓の検査値であるγ-GTP(GGT)が高い方で、暁現象が多い傾向がありました
  • 暁現象が多いグループほど、朝食後の血糖値も高くなりやすい傾向でした

ある時点の状態を調べた研究(横断研究)のため、原因と結果の関係を示すものではありません。また、自動インスリン投与(AID)の機器を使っている方は含まれていません。

澤木院長
澤木院長

当院には1型糖尿病の患者さんが多く通院されています。日々の診療で得られたデータが、多施設の研究の一部として形になったことを、うれしく思っております。

この研究の基盤となったFGM-Japan研究は、日本医療研究開発機構(AMED)の研究費によって実施されました。論文上、澤木の利益相反はありません。

ご協力いただいた患者さんに、この場を借りて心より御礼申し上げます。これからも、日々の診療で得られた知見を、研究を通じて社会に還元できるよう努めてまいります。

掲載論文

Sakane N, Hirota Y, Yamamoto A, Miura J, Takaike H, Hoshina S, Toyoda M, Saito N, Matsubara M, Tone A, Kawashima S, Sawaki H, Matsuda T, Domichi M, Suganuma A, Sakane S, Murata T, Ando H. Factors associated with the dawn phenomenon in adults with type 1 diabetes: a probabilistic continuous glucose monitoring analysis. Endocrine Journal. 2026. Advance Publication. doi:10.1507/endocrj.EJ26-0338

論文を見る(J-STAGE)

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