「BMI35以上あって、脂質異常症や高血圧もでてきた、合併症悪化させないようにやせたい。」

「保険診療の肥満症治療薬で、治療を希望している。頑張って栄養指導も受けながらやせたい。」

「半年間とりあえず、栄養指導を受けながら頑張ります。目標体重達成が難しければ、その後、抗肥満症薬を保険で、使用して頑張りたい。」

このような肥満症に真剣に向き合いたいと考えていらっしゃる皆様に朗報があります。

このたび澤木内科・糖尿病クリニックは、より高度な糖尿病診療・教育を行える施設として、日本糖尿病学会認定教育施設に認定されました。

実は、高い減量効果で注目されている最新の肥満症治療薬(GLP-1受容体作動薬「ウゴービ」や、GIP/GLP-1受容体作動薬「ゼップバウンド」)を保険適用(3割負担など)で処方するためには、単に医師がいるだけでなく、「学会認定の教育施設であることなど、国が定める非常に厳しい施設基準をクリアする必要があります。

つまり、一般的なクリニックであればどこでも保険で処方できるわけではありません。

今回の認定により、当院でもこれらの薬剤を用いた正規の保険診療が可能となりました。
この体制が整ったことを機に、医学的根拠に基づいた専門的な治療を提供するため、平日(月~金)人数限定「肥満症外来」を新たに開設いたします。

「健康診断で肥満を指摘された」
「医師から痩せるように言われているがうまくいかない」
といったお悩みに対し、専門医とスタッフがチームで治療にあたります。

ただし、これらの新しいお薬を保険で使うには、国が定めた非常に厳しい「適応基準(しばり)」があります。

【重要】治療を受けるための必須条件

まず、以下の (1)と(2)の両方 を満たしている必要があります。

(1) 生活習慣病の治療薬を肥満症薬を開始前に飲んでいること

ここが非常に重要なポイントです。単に診断されているだけでなく、以下のいずれかの病気で栄養指導開始前ではなく、処方開始には少なくとも「お薬による治療を受けている」ことが条件です。

  • 高血圧

  • 脂質異常症

  • 2型糖尿病

※「検診で数値が高いと言われたが、薬は飲んでいない」という状態では、ウゴービ・ゼップバウンドの保険適用にはなりません。

(2) BMI(体格指数)の基準を満たしていること

肥満の度合いを示すBMIが、以下のいずれかである必要があります。(栄養指導前と処方直のタイミングで満たす必要があります。

  • BMI 35以上

  • BMI 27以上 + 肥満に関連する健康障害(※)が2つ以上ある
    (※耐糖能障害(2型糖尿病や耐糖能異常)、脂質異常症、高血圧、高尿酸血症・痛風、冠動脈疾患、脳梗塞、代謝機能障害関連脂肪肝疾患(MAFLD、脂肪肝)、月経異常・不妊、睡眠時無呼吸症候群、運動器疾患、肥満関連腎臓病など)

BMI(体格指数)の計算方法と早見表

ご自身のBMIがいくつかわからない方は、以下の計算式と早見表を参考にしてください。

計算式: 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m) = BMI

【BMI早見表】あなたの身長で対象となる体重は?

身長 BMI 27 の目安(合併症が2つ以上ある方) BMI 35 の目安(高度肥満の方)
150cm 60.8kg 以上 78.8kg 以上
155cm 64.9kg 以上 84.1kg 以上
160cm 69.2kg 以上 89.6kg 以上
165cm 73.6kg 以上 95.3kg 以上
170cm 78.1kg 以上 101.2kg 以上
175cm 82.7kg 以上 107.2kg 以上
180cm 87.5kg 以上 113.4kg 以上

保険診療ならではの「厳しいルール(しばり)」について

ウゴービやゼップバウンドは、美容目的のダイエット薬ではありません。
間違った美容目的の使用で健康被害も報告されています。
そのため、厚生労働省のガイドラインにより、以下のような厳しいルールが義務付けられています。

これらは当院独自のルールではなく、保険診療を行うための国の決まりですので、必ずご理解ください。

1. すぐには処方できません(6か月の準備期間)

初診日にいきなりお薬を出すことはできません。

「最低6か月以上の食事・運動療法を行っても改善しない場合」という条件があるため、当院に通院しながら6か月間、管理栄養士の指導のもとで生活習慣改善に取り組んでいただく必要があります。

  • 期間: 当院初診から最低6か月間

  • 必須となる栄養指導の回数: 2か月に1回以上」ですが、すこしでもずれるようだと処方ができなくなりますので、急に受診できなくなる場合や栄養指導の予約がとれない場合に備え、「月に1回程度」の栄養指導をおすすめいたします。

この6か月の間に、管理栄養士による栄養指導を「2か月に1回以上」受け、その記録が残っていることが処方開始の絶対条件となります。

2. 「6か月後」の時点でも条件を満たす必要があります

ここが注意点です。6か月間、食事・運動療法を頑張った結果、
お薬を使い始める判定の日に、体重が減って「BMI基準(27や35)」を下回っていた場合、お薬の対象外(処方不可)となります。

「せっかく6か月待ったのに薬が使えないの?」と思われるかもしれませんが、「薬なしで痩せられた」ということは、医学的に見て最も素晴らしい成果(成功)です。当院では、薬を使うこと自体を目的にせず、皆様の健康改善を第一のゴールとしてサポートします。

3. 定期的な栄養指導が「必須」です

お薬を使い始めてからも、薬だけに頼らず生活習慣の改善を続ける必要があります。

  • 必須となる栄養指導の回数: 「2か月に1回以上」

治療期間中も、「2か月に1回以上」の頻度で栄養指導を受けることが、保険適用の継続条件です。
(※処方自体は、お薬の種類や時期によって「2週間ごと」や「4週間ごと」の通院が必要になる場合がありますが、栄養指導は最低でも2か月に1回の実施が義務付けられています。)

4. 定期的な検査が「必須」(最初の4ヶ月は毎月、以降は2ヶ月に1回程度)です:体重、血圧、血糖・脂質(要採血)

お薬を使い始めてからも、薬だけに頼らず生活習慣の改善を続ける必要があります。
最適ガイドラインによると、
・ 本剤投与開始後、毎月、体重、血糖、血圧、脂質等を確認し、本剤を 3~4 ヵ月間投与しても改善傾向が認められない場合には、本剤の投与を中止すること。
・ 本剤を 3~4 ヵ月間投与して減量効果が認められた場合、その後も 2~3 ヵ月に 1 回以上、体重、血糖、血圧、脂質等を確認して患者の状態を十分に観察し、効果が不十分となった場合には本剤の投与中止を検討すること。


よくあるご質問(Q&A)

Q1. 27≦BMI<35ですが、高尿酸血症と脂肪肝があれば、保険で使えますか?

A.27≦BMI<35ですが、高尿酸血症と脂肪肝のみの方は、保険で使えません。

27≦BMI<35の方は、高血圧、脂質異常症、2型糖尿病のいずれか(要:薬物療法)を含む2つ以上の健康障害を有する必要があります。

Q2. ほかの病院で保険診療で、ウゴービ(またはゼップバウンド)を使用希望で食事療法、運動療法を頑張っていました。転院したら栄養指導の期間を合算してもらえますか。

A. 原則として、食事・運動療法の期間は合算できません。

紹介状をお持ちの場合であっても、保険診療の厳格なルール上、「当院(処方する施設)において、6か月間の食事・運動療法の実績があること」が必要です。

そのため、転院された場合は、当院であらためて6か月間の準備期間(通院・栄養指導)を経てからの導入検討となります。

「医療機関が変われば、生活習慣の指導方針も変わる」という観点から、リセットが必要となる点をご理解いただけますようお願いいたします。

Q3. ほかの病院でウゴービ(またはゼップバウンド)を保険診療で使っていました。転院したらすぐに続きを処方してもらえますか?

A. 医学的用件をみたせばウゴービ(またはゼップバウンド)を継続できますが、転院後すぐに処方することができない場合があります。(診療情報提供書は必須)

診療情報提供書(いわゆる前医の先生の紹介状)をお持ちの場合であっても、保険診療の厳格なルール上、1)どういう適応(病名やBMI)でいつから食事・運動療法が開始となり、2)過去の栄養指導の日時が明確で、3)前医で、いつからウゴービ(あるいはゼップバウンド)が開始となり、4)最長いつまでウゴービ(あるいはゼップバウンド)が処方可能か、診療情報提供書で、明確でないと保険診療で継続するのは難しいです。ご理解いただけますようお願いいたします。

紹介状をお持ちの場合であっても、情報が不十分な場合、保険診療の厳格なルール上、継続で処方ができず、「当院(処方する施設)において、6か月間の食事・運動療法の実績があること」が必要です。

情報が不十分な場合は、当院であらためて6か月間の準備期間(通院・栄養指導)を経てからの導入検討となります。

診療録に記載が必要な情報(注射開始時):ご参考まで
①患者要件ア~ウのうち該当するものすべて
ア 高血圧
イ 脂質異常症
ウ 2型糖尿病
②患者要件エ又はオのうち該当するものすべて
エ BMI 27以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する
オ BMI 35以上
③ ②のエに該当する場合、次に掲げる肥満に関する健康障害のうち、該当するもの

カ 耐糖能障害(2型糖尿病や耐糖能異常など)
キ 脂質異常症
ク 高血圧
ケ 高尿酸血症・痛風
コ 冠動脈疾患
サ 脳梗塞
シ 代謝機能障害関連脂肪肝疾患(MAFLD、脂肪肝)
ス 月経異常・不妊
セ 睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群
ソ 運動器疾患
タ 肥満関連腎臓病
④ 食事療法・運動療法に係る治療計画を作成した年月日
⑤ ④の治療計画に基づく食事療法において、管理栄養士による栄養指導を少なくとも6ヶ月以上うけたことがわかるすべての年月日
⑥ 合併している高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病に対して投与中のすべての医薬品
⑦ 本製剤による治療計画(ウゴービ:68週以内、ゼップバウンド:72週以内に投与を中止する計画であること)を作成した年月日

診療録に記載が必要な情報(注射継続時):ご参考まで
①本製剤(ウゴービやゼップバウンド)の初回投与から起算して、何週目の投与であるか。
回数ではなく、週で記載
②次に掲げるすべての項目の直近の測定値および測定年月日ならびに改善が認められたのであれば、改善が認められた旨を記載
ア 体重
イ 血糖
ウ 血圧
エ 脂質

Q4. 治療を途中で中断してしまった場合、どうなりますか?

A. 治療の権利はリセットされ、再度「6か月間の準備期間」からのやり直しとなります。

仕事の都合などで通院が途絶えたり、毎月の栄養指導を受けられなかったりした場合、保険適用の要件である「継続的な指導」が満たせなくなります。 その場合、すぐに再開することはできず、改めて当院で6か月間の食事・運動療法を行い、それでも改善しない場合にのみ再投与が検討されます。

Q5. ウゴービとゼップバウンドは、最長でどれくらいの期間使えますか?

A. 臨床試験の結果に基づき、保険診療での投与期間には上限(リミット)があります。

  • ウゴービ:最長68週(約1年4か月)

  • ゼップバウンド:最長72週(約1年5か月)

これらのお薬は一生使い続けるものではなく、この期間内に生活習慣を整え、薬に頼らない体を作るための「期間限定のサポーター」です。

肥満症治療薬の期間終了後の体重維持には、引き続き、薬物療法中につかんだ、成功体験を活かして頂き、食事運動療法に取り組むことが大切です。

Q6. 決められた期間(68週・72週)が終わった後、もう一度使いたい場合はどうなりますか?

A. 原則として、治療期間終了後の継続処方(延長)はできません。 最大期間終了後は、お薬を中止し、食事・運動療法のみでの管理に戻ります。 万が一、中止後にリバウンドし、肥満に関連する健康障害が悪化してしまった場合には、「中止後、改めて6か月以上の食事・運動療法を行っても改善しない」という条件を満たせば、再投与が認められるケースもあります。 (※「予防のために使い続けたい」といった理由での再処方は認められません)

Q7. 1型糖尿病ですが、保険で使えますか?

A. 1型糖尿病の方には処方できません。添付文書(ウゴービ、ゼップバウンド)に禁忌の記載があるためです。

Q8. 妊娠を予定していますが、保険で使えますか?

A. 処方できません。添付文書(ウゴービ、ゼップバウンド)に妊婦、妊娠している可能性のある女性には本剤を投与しないこと。また、2 ヵ月以内
に妊娠を予定する女性では本剤の投与を中止すること。と記載があるためです。

Q9. オンライン診療で栄養指導はうけれますか?

A. オンライン診療で栄養指導は受けることができます。
受診は、対面診療か、対面診療とオンライン診療(スマホ外来)の併用を予定しております。ご希望を頂いた時に、対応可能な方法を検討させていただきます。


受診をご希望の方へ

肥満症外来は「平日限定(9時30分~11時30分、14時45分~17時)」です。

本気で肥満症を治したい、将来の病気を予防したいとお考えの方は、ぜひ「肥満症外来」の初診をご予約ください。

日本糖尿病学会認定教育施設の専門チームが、あなたの健康的な未来をサポートします。

診察予約はこちら

※初診の方は「診察(肥満外来)」のメニューでご予約ください。
当院に定期通院中の方は診察にて肥満外来希望の旨をお伝えください。

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