最新の肺炎球菌ワクチン「キャップバックス」の予約を開始しました
当院では、2025年8月に承認された最新の21価肺炎球菌結合型ワクチン「キャップバックス(PCV21)」の自費接種予約を開始いたしました。
これまで主流だったワクチンよりもさらに広い範囲の菌をカバーしており、特に糖尿病などの持病をお持ちの方に強く推奨されるワクチンです。
当院の接種方針
当院では当面の間、定期接種(公費)対象となっている「ニューモバックス」も取り扱いますが、今後はより広い菌をカバーし、高い免疫効果が期待できる「キャップバックス」への移行を基本として推奨してまいります。
キャップバックス(PCV21)とは?
肺炎球菌には多くの種類(血清型)がありますが、キャップバックスは、現在の成人の感染原因となっている種類をより効率的にカバーするために開発された最新のワクチンです 。
1. 圧倒的なカバー率
これまでのワクチンと比較して、成人の重症肺炎(侵襲性肺炎球菌感染症:IPD)の原因となる菌の約80%をカバーしています 。
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キャップバックス(PCV21):約78~80%
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プレベナー20(PCV20):約50~53%
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ニューモバックス(PPSV23):約51~53%
2. 高い免疫効果
「結合型ワクチン」という種類に分類され、体の中に免疫の記憶を長期間残しやすい特徴があります 。
ワクチンの比較表
| 項目 | ニューモバックス (PPSV23) | プレベナー20 (PCV20) | キャップバックス (PCV21) |
| 種類 | ポリサッカライドワクチン | 20価結合型ワクチン | 21価結合型ワクチン |
| カバー率(※IPD) |
約51% |
約50% |
約80% (最大級) |
| 注射の方法 |
皮下または筋肉内 |
筋肉内 |
筋肉内 |
| 標準的な回数 |
1回(公費対象:基準あり) |
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1回(任意・自費) |
| 公費助成 |
2025年度の定期接種対象 |
今後、定期接種に導入予定 |
任意接種(自費) |
| 当院価格 | 9,680円(自費の場合) | 未定 | 16,000円(税込) |
※IPD:侵襲性肺炎球菌感染症(菌血症や髄膜炎などを伴う重症の肺炎)
接種回数とスケジュールについて
「肺炎球菌ワクチンは何回打てばいいの?」というご質問をよくいただきます。状況によって異なります。
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これから初めて打つ方
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**キャップバックス(1回)**で完了です 。これが現在最も推奨される、広い範囲をカバーできる方法です。
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公費(定期接種)を希望される場合は、ニューモバックス(1回)となります。
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過去に「ニューモバックス」を打ったことがある方
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前回の接種から**1年以上あけて、キャップバックスを「追加で1回」**打つことで、さらに免疫を強化できます 。
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糖尿病をお持ちの方へ:なぜ肺炎球菌ワクチンが大切なのか
糖尿病などの基礎疾患がある方は、健康な方に比べて肺炎球菌感染症にかかるリスクや、重症化するリスクが高いことが知られています 。
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データが示すリスク:国内の65歳以上の重症肺炎患者のうち、17.8%の方が「糖尿病」を患っています 。これは、他の基礎疾患(肺疾患、心疾患など)と比較しても最も高い割合です 。
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重症化の予防:インフルエンザなどのウイルス感染後に肺炎を併発した場合、高齢者の致命率は大幅に上昇します 。糖尿病の方は免疫機能の低下により、こうした合併症の影響を受けやすいため、ワクチンの重要性が非常に高いと言えます 。
最新のキャップバックスは、糖尿病の方が特にかかりやすい菌の種類も広くカバーしており、より手厚い守りが期待できます 。
公費(定期接種)ワクチンの変更について
現在、65歳の方などを対象とした公費による定期接種では「ニューモバックス(PPSV23)」が使用されています 。しかし、厚生労働省の専門委員会において、今後の定期接種には「プレベナー20(PCV20)」を導入する方針が決定されました 。
なぜニューモバックスから変更されるのか?
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長期的な効果の検証:過去10年間の定期接種において、ニューモバックス単独の接種では、対象年代の重症患者数を実質的に減少させるまでには至らなかったという分析結果があります 。
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免疫の仕組み:プレベナー20やキャップバックスのような「結合型ワクチン」は、より強い免疫応答を引き起こし、免疫の記憶(メモリーB細胞)を作る能力に優れているため、次世代の標準として期待されています 。
※公費での切り替え時期等の詳細は自治体からの通知をお待ちください。
キャップバックス接種のご案内
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費用:16,000円(税込)
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対象となる方:
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65歳以上の方 あるいは
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糖尿病、慢性心不全、呼吸器疾患などの持病がある方 また、
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過去に肺炎球菌ワクチンを接種したことがある方も、1年以上間隔を空ければ接種可能です
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予約方法(完全予約制:要電話)
事前にワクチンを取り寄せますので、ご予約が必須です。
ネット予約ではなく、お電話でご予約ください。
ワクチン取り寄せ後のキャンセルはお断りしております。
ワクチン料金に診察料を含んでおります。
参考文献
65 歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第 7 版 2025 年 9 月 30 日)(日本呼吸器学会・日本感染症学会・日本ワクチン学会の合同委員会)

