「目はよく見えていますよ。」

「目で困っていることはないので、私は糖尿病もうまく症ではないでしょう?」

とおっしゃる糖尿病の患者さんがよくいらっしゃいます。

確かに、大半の方は、目に問題がないかもしれません。

ご本人の自覚がない間に悪化していることがあるのが、糖尿病もうまく症です。

 

■糖尿病の3大合併症の1つが、糖尿病もうまく症です。

目のもうまく(網膜)を観察するには、眼底検査(がんていけんさ)を受けて頂く必要があります。

てんがんによって、さんどう(散瞳)して、ひとみを開いた状態で、観察できます。

患者さんにとっては、瞳孔が開いた状態ですので、大変まぶしいです。

糖尿病の方にはぜひとも眼科で定期的にチェックしてもらうことをお勧めします。

がんてい検査でまぶしい状況がしばらく続きますので、自動車の運転の予定が無い時が望ましいです。

 

■糖尿病もうまく症の原因

糖尿病で高血糖の状態が続きますと、全身の細い血管に障害が起こります。

目の もう膜には、目に酸素を運ぶための細い血管が走っています。

高血糖じょうたいだと、もう膜の毛細血管に異常を引き起こしてしまいます。

もう膜の血管にこぶができたり、詰まったりして、 血液の流れが悪くなります。

目のもう膜では、さん素が欠乏した状態となってしまいます。

血管がもろくなり、血管壁から血液中の成分が漏れ出したり、血管が破れやすくなったりします。

さらに血糖コントロールが良くない状況が続きますと、広い範囲で血管が詰まったり、 異常な血管が発生するなどの変化も起こってきます。

このような血管の異常によって、もう膜にさまざまな障害が起こるのです。

放置すると、「もう膜はくり」や「緑内障(りょくないしょう)」になり、治りにくくなります。

■もうまく症の段階

もうまく症なし、単純糖尿病もうまく症、前増殖(ぜんぞうしょく)糖尿病もうまく症、増殖(ぞうしょく)糖尿病もうまく症

と分けられます。

■治療

血糖コントロール
単純もうまく症で、視力が良好な段階であれば、食事療法、運動療法、薬物療法などにより、血糖値をコントロールすることで病変の悪化を防ぐことができます。

血糖値を安定した状態に保つことができれば、 小さな出血などは自然に消えることもあります。

光ぎょうこ(レーザー治療)
単純もうまく症でも視力の低下があるとき

ぜんぞうしょく糖尿病もうまく症の段階で考慮されます。

レーザーでもうまくを焼くのが「光凝固(ひかりぎょうこ)」です。

特に視力の中心のおうはん部に浮腫(むくみ)が発症すると治療は難しくなります。

症状が進行してしまった場合は、手術が必要になります。
硝子体(しようしたい)手術
硝子体の中で大出血が起こったり、もう膜の表面にぞうしょく膜ができたときは、「しょうしたい手術」が必要になります。

この治療法のおかげで、 最近では高い確率で「もうまくはくり」も治せるようになりました。

しかし、長くはくりしたままにしておくと、 もうまくの神経組織がいたんでしまいます。

もうまくの神経組織がいたみますと、はくりが治っても視力の回復が不十分なことがあります。

硝子体手術は、眼科手術のなかでも高度な技術が必要とされるうえに、特殊な機器が必要です。

早い段階で網膜症を発見できれば、治療もそれだけ簡単に済みますので、治療の効果も上がります。

早期発見・早期治療が糖尿病もうまく症では何よりも大切です。

■ワンポイントアドバイス

たとえ目の症状がなくとも、糖尿病の方は定期的にがんてい検査を継続して、うける必要があります。

レーザやしょうしたい手術を受けた後もしっかり血糖をコントロールすることが更なる悪化を防ぐのに

必要となってきます。