みなさん、こんにちは。
澤木内科・糖尿病クリニック院長の澤木秀明です。
今回は必見!血糖値を下げるヘモグロビンA1cを下げる最強の食べ物ランキング
を発表したいと思います。

■糖尿病の食事療法について

さまざまな食材をバランスや順番に配慮してとるのが良いです。
エネルギー産生栄養素である炭水化物、脂質、蛋白質をまんべんなくとるという事です。
順番に関しては
野菜、おかず、ごはんの順番、
野菜やタンパク質を先に食べて、最後に炭水化物
を食べるカーボラストにする
と言う意味です。

炭水化物とは消化吸収される糖質と食物繊維にわけられます。
糖質は体を動かすエネルギー源になります。
炭水化物のうち、血糖値をあげるのは糖質だけです。
一方で食物繊維はエネルギー源になりませんし、血糖値もあげません。

炭水化物の中でもエネルギー源になるとお伝えした
糖質の量が多い事が
直接的に高血糖につながります、
糖質が過剰なものを減らす。
糖質が過剰なものを安心なものに置き換える
糖質の吸収をゆっくりにする。
ことを目指せたらと思います。

血糖値を下げるヘモグロビンA1cを下げる最強の食べ物
というタイトルですが、
残念ながら、どれか食べたら大丈夫
という意味ではありません。

■置き換え法が大切

食事全体の調整をせずに、最強の食べ物を食べたら、
他の食事の影響を帳消しにしてくれて
血糖がさがるというものではありません。
高糖質の食品から置き換えることで、
糖質を取りすぎない食事を
提案したいと思います。
また、色々ある食品のなかから、
選ぶという意識が大切です。
体によい食品をテレビで宣伝していたから
といって、少ない量でもたくさん食べれば
過剰になって、結局は、糖質過剰になっていたと
いうのはよくあります。
今回は、糖質の少ない食品という観点だけでなく、
食後の血糖上昇、血糖値スパイクがよくなる食品、
食べ方という点から選んでおります。

■大切なのは、過剰な糖質の摂取をなくすこと

過剰な糖質を摂取するとインスリンが分泌されても処理しきれず、食後高血糖になってしまいます。
食後高血糖が持続すると慢性的に高血糖となる結果、ヘモグロビンa1cは増加してしまう事になります。
糖質以外の野菜やタンパク質もしっかりとる必要があります。
筋肉がやせ衰えてくるサルコペニアを
予防する意味でも、
毎食、タンパク質の摂取は必要になります。
それでは、血糖値を下げるヘモグロビンA1cを下げる
最強の食べ物ランキングに移りたいと思います。
5位から順に、1位まで続けて発表したいと思います。

■第5位砂糖の添加を制限する。
物足りなければ、低糖質甘味料で代用する。

砂糖は美味しいですが、摂取後は急激に
血糖値スパイクを起こしうる
注意すべき調味料ですよね
糖尿病の予防や糖尿病を治るように
頑張る方には、
砂糖の添加は制限する必要があります。
でも、甘いの大好きという方、
どうしても甘みがないと
だめという方には、
低糖質甘味料がおすすめです。

低糖質甘味料としては、ラカントS、
パルスイートカロリーゼロ、
シュガーカットゼロなどを
上手に使うようにおすすめしています。
低糖質甘味料ですので、そこそこ使う分には問題ないと思いますが、まったく糖質がゼロというわけではないので量が極端に多い使用はご注意ください。

患者さんからたまに聞く心配の声としては、
そうはいっても食品の成分表示を見ると
ラカントSや
シュガーカットゼロなどには
炭水化物ってかいてあるよと
の指摘があります。

食品の成分表示は含有量の多い順に
記載してあるんでしたよね。
糖質が多くないか、確認されながら、
食品を選ぶのは素晴らしいと思います。

炭水化物は血糖を上げる糖質だけでなく、
血糖値をあげない食物繊維に分けられます。

ラカントSやシュガーカットゼロなどに
含まれる糖アルコールの「エリスリトール」は
「炭水化物」と表記されるため、心配になりますよね。
ただ、エリスリトールは炭水化物の表記があっても
体内で代謝されないので、そこそこほどほどの使用であれば
血糖を上げる糖質としてカウントしなくてよいのです。
そういう意味で、代用品として、ラカントS、
パルスイートカロリーゼロ、
シュガーカットゼロなどをすすめています。

■第4位 精製された穀物を
精製されていない全粒穀物に変える
白米を玄米に置き換える

ただ、量が多くなってしまったら、
血糖値上昇につながりますので、量に注意は必要です。

■第3位 適切なタンパク質量を確保する。

例えば体重1kgあたり、たんぱく質を
1日 1g摂取を目標にするなどです
60kgの人だと1日60g、
1食あたり、20gのたんぱく質が
必要になります。
タンパク質はアミノ酸に分解され、
筋肉や臓器の成分などに作り変えられます。
筋肉は常に作られては分解される
というサイクルを繰り返していると考えられ、
毎食、タンパク質は補充する必要があります。
タンパク質を食べることで、
筋肉を維持するのです。
なかなか朝から食べれないという方も
少なからず、おられます。

タンパク質の目標摂取量は
もっておられる合併症や年齢、体格、運動量などに
よっても変わってくるかと思いますので
主治医の先生にご確認ください。

また、タンパク質はアミノ酸に変わった後、
必要に応じて、ブドウ糖に変換されエネルギーとして、使われます。
タンパク質はほとんど血糖値に影響しません。
特に糖質制限をしていると、かわりにタンパク質や
脂質をある程度、摂取する必要がでてきます。
どのタンパク質をとったらいいかですが、
それぞれ含まれているアミノ酸が様々で、良さがありますので、
いろんなタンパク質をとるようにおすすめしています。
肉や魚、豆腐や納豆などの大豆製品、
チーズなどすすめています。

注意点としては、
ソーセージやちくわなどの加工食品は
塩分の過剰摂取につながり、
高血圧の原因になるので注意が必要です。

■第2位 食事性油脂を
1価不飽和脂肪酸を主体にする

動脈硬化の予防と言う観点から、
マーガリンやファットスプレッドなど
トランス脂肪酸の多い油や揚げ物に
使用された酸化した油を
控えることは大切です。
積極的に選ぶのは、
オリーブオイルやナッツ、
菜種油、サフラワー油などで
1価不飽和脂肪酸は多く含まれます。
なぜ動脈硬化の予防という意識をもつ
必要があるかといいますと、
糖尿病の合併症で
動脈硬化が原因でなるものが
あるからですよね。

合併症の覚え方、ご存知ですか。
糖尿病の合併症は
しめじ、えのきですよね。
しめじは、神経障害のし、
網膜症のめ、
腎臓のじで
糖尿病の3大合併症をさします。
えのきは、動脈硬化性疾患、
えは足壊疽、
のは脳梗塞、
きは、狭心症や心筋梗塞でしたよね。
えのきの予防に油脂への配慮が重要となります。

■第1位 芋類のようにでんぷん豊富な野菜を
それ以外のでんぷんの少ない野菜に変える。

でんぷんが多い野菜は、すなわち、
糖質が多い野菜になりますよね。
ざっとあげてみますと、
じゃがいも、さつまいも、
かぼちゃ、とうもろこし、
れんこん、百合根などです。

おすすめとしては、食物繊維の多い、
葉物やさいなどを
ゆっくりよく噛んで食べるということです。
具体的には、きのこ、たけのこ、
ブロッコリー、オクラなどを
おすすめしています。

これらの食品には食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維は、水に溶ける水溶性食物繊維と、
水に溶けない不溶性食物繊維に大別されます。
水溶性食物繊維は、
食後の急激な血糖上昇を抑えるのに役立ちます。
腸の中で糖質を包み込みながら
移動するイメージで、
糖質の吸収スピードが遅くなります。
糖質がゆっくり吸収されると、
血糖値の上がり方も緩やかになりますので、
膵臓から分泌されるインスリン分泌が
多少低下していても対応しやすくなり、
食後の急激な高血糖(血糖値スパイク)を
防ぐことが想定されます。


水溶性食物繊維は
腸内にある余分なコレステロールを吸着し、
便と一緒に体外に排出することも期待されます。
一方、不溶性食物繊維は便通の促進に役立ちます。
不溶性食物繊維は消化管の中の水分を
吸収することで、かたくない便の量を増やします。
また、腸の蠕動運動(便を送り出す動き)を
促進し、便通を促します。
不溶性食物繊維は
食べ過ぎ防止に役立ちます。
不溶性食物繊維が多い食べ物は、
歯ごたえがありよく噛んで食べられるため、
ゆっくり食べにつながります。
特に水溶性食物繊維は毎食、
食事の最初に食べるのがおすすめです。
水溶性食物繊維は食後の高血糖を抑えますが、
朝に食べた食物繊維はお昼には残っていません。
そのため、食物繊維は毎食食べることが重要です。

さらに、食事の最初に食べて
腸の中で待ち伏せすることで、
取りこぼしなく糖質を包むことができます。
糖質と食物繊維を一緒に食べても
食物繊維の効果がなくなることはもちろんありません。
しかし最初に食べる方がより効果的ですので、
『野菜はできるだけ最初に』がおすすめです!

血糖値を下げるヘモグロビンA1cを下げる最強の食べ物ランキングについてまとめますと

まとめ 第1位 芋類のようにでんぷん豊富な野菜をそれ以外のでんぷんの少ない野菜に変える。

きのこ、たけのこ、
ブロッコリー、オクラ

第2位 食事性油脂を1価不飽和脂肪酸を主体にする

オリーブオイルやナッツ、
菜種油、サフラワー油など

第3位 適切なタンパク質量を確保する。(1g/kg/日)

いろんなタンパク質をとる
ソーセージやちくわなどの
加工食品は塩分の過剰摂取に
注意

第4位 精製された穀物を精製されていない全粒穀物に変える

白米を玄米に変えるなど、量には注意が必要です

第5位 砂糖の添加を制限する。

物足りなければ、低糖質甘味料
(ラカントS、パルスイートカロリーゼロ、
シュガーカットゼロなど)で代用する。

となります。

今回は、
血糖値を下げるヘモグロビンA1cを下げる
最強の食べ物ランキングについて
お話させていただきました。

少しの工夫を加えることで
血糖値をあげずに美味しく召し上がっていただけます。
ご自身にあった食事療法をみつけていただきたいので、
今回は糖質の過剰摂取を避けるための工夫に役立つお話になるよう考えてお話ししました。
YouTubeでも解説してます。
動画版は下記の画像をクリックください。