インスリンポンプはインスリンを投与するための機械です。

からだの外につける小さなそうちです。

患者さんは設定の方法を学んで、自分のインスリン量を答えれるようになる必要があります。
ベーサルインスリン(基礎インスリン)、ボーラスインスリン(食事のためと高血糖を補正するためのインスリン)の両方の設定をします。

インスリンポンプの利点

インスリンポンプ療法はペンによる頻回注射療法にくらべて、平均HbA1cを0.5%下げると報告されています。

インスリンポンプは血糖値やHbA1cの目標達成を手助けしてくれる道具となります。

インスリンポンプだと治療に融通がききます。

患者さんは食べたいときに食べることができます。

いつでも運動できます。

好きなだけ眠れるようになります。

何回でもボーラス注入が可能で、ベーサル設定を複数のパターンで作成し、

その日にあったものを選ぶことができ、内臓の計算機がボーラス注入量を計算してくれます。

高血糖と低血糖が減り、血糖値が目標内に入れば、HbA1cは改善し、糖尿病とよりよく暮らすことができます。

時間帯ごとのベーサル設定

あかつき現象といわれる早朝の血糖上昇を認める場合は朝、3時からベーサル設定を増やす。

運動をする場合は、低血糖を避けるためにベーサルを減らす。

無自覚低血糖(低血糖を認識できない)のひとや胃(い)運動のしょうがい(消化の障害)、生活習慣が不規則な人にも役立ちます。

一時ベーサル機能

一時的に増量も減量も可能(%で行うと便利です)。不調で食事がとれないときには、減らしたり(たとえば通常の80%にしたり)、ストレスによる高血糖の時に増やしたり(通常の120%にしたり)、普段よりたくさん運動するとき、時差のある長距離旅行の時にも役立ちます。

複数のベーサルパターン

24時間のベーサルパターンを複数設定して、その中から、選べるようにします。

月経のときにはインスリンの効きが悪くなる場合が多く(インスリン抵抗性がぞうだい)、ベーサルインスリン量を1日中、多くしたものを作ります。

よく春ベーサルのパターンは平日用、週末用(朝寝をしたいとき)、旅行中用、夏休み期間用などといった具合です。

持効型溶解インスリンや中間型インスリンが不要になる。

ポンプでは超速効型インスリンのみを使います。

持効型溶解インスリンはピーク無く、長時間にわたって、徐々に吸収されるのが、理想です。

中間型インスリンの効果のピークがちょうど食事時の頂点にくれば、理想的です。

しかし、どの持効型インスリン、中間型インスリンも毎日同じように吸収してくれるわけではありません。

インスリン吸収のばらつきが、頻回注射療法における予想外の高血糖や低血糖の原因になります。

血糖変動はインスリンポンプ療法の方が低頻度です。

高精度のインスリン注入

インスリンポンプではペン型インスリンよりも高精度にインスリンを注入できます。

インスリンポンプは0.025単位でごく少量のインスリンも注入できます。

これに対して、注射器で正確に注入できるのは、0.5単位まで(詰め替え用のカートリッジタイプのペン)です。

食事量に対するインスリン調節

外食が多い場合やスナック菓子を食べたい場合、栄養成分がわからなくても適切にインスリン量調節ができるかは、難問です。

ボーラスボタンを押すだけで、1回だけでなく、複数回、ボーラスを注入できます。

もちろんうちすぎには注意が必要です。

人前でうちにくいときでも簡単に食前のインスリンをうつことができます。

ポンプの種類によってはポケットの中で、操作できるものもあり、ひとまえで、ポンプを出さずにすみます。

ボーラスウィザード

食事に対して、必要なインスリン量や高血糖の補正のために必要なインスリン量を決めるための計算機がついています。ICR(インスリン炭水化物比)やインスリン感受性因子(1単位で血糖がどれだけさがるか)をあらかじめ入力しておくと計算してくれます。

高血糖を修正するためのインスリン量計算

ポンプに修正因子をいれておくと、高血糖修正のためのボーラス注射が簡単にできるようになります。ポンプに血糖値を入力すると必要なインスリン量を計算してくれます。

■ワンポイントアドバイス

さまざまな機能を使いこなすには、しっかり血糖を認識して、食事内容を自己評価する必要があります。

試行錯誤を繰り返し、適切なタイミングや量をさぐっていきます。

ポンプのトラブルにそなえて、最低限のペン型インスリンも携帯し、対応の仕方も把握しておく必要があります。

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