「血糖値って、自宅で測れるの?」
「病院に行かなくても、自分で血糖値の管理ができる方法は?」
「最近よく見る“腕時計型の血糖測定器”って本当に正確なの?」
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
糖尿病の治療や予防において、血糖値を“見える化”することは非常に大切です。
この記事では自己血糖測定器(SMBG:Self-Monitoring of Blood Glucose)について、購入方法から使い方、よくある注意点までを解説します。
自己血糖測定器とは?
自己血糖測定器とは、自宅や外出先で自分の血糖値を測定できる医療機器です。
糖尿病で注射治療をされている方は、
- 注射の量を検討する
- 食事や運動による血糖値の変化を把握する
- 低血糖や高血糖を早期に発見する
などの目的で日常的に使用されています。
どこで買える?購入方法は?
自己血糖測定器は、以下の方法で購入できます
① 医療機関(保険診療)
1型、または2型糖尿病などで注射による治療中や、妊娠糖尿病の方などは医師の指示により
保険適用(自己負担が3割-0割)で自己血糖測定器の処方が可能です。
※自己血糖測定器(SMBG)は血液を採取しその時の血糖値を測定するものですが、
24時間持続的に血糖値を測定する「持続血糖測定器(CGM)」というものもあります。
こちらは注射治療を行っていない糖尿病の方も処方ができます。
② 薬局・通販(自由診療:全額自己負担)
一部の血糖測定器はドラッグストアやAmazonなどの通販サイトでも購入が可能です。
ただし、保険適用外の自由購入になるため、費用は自己負担となります。
また、精度やサポート体制などにバラつきがあるため注意が必要です。
血糖測定に必要な物品は?
自己血糖測定器本体に加え、血液をつける「測定用センサー(試験紙)」、血液を出すための「穿刺針(ランセット)」の3点セットが必要です。
また、指先を消毒するためのアルコール綿も用意しましょう。
自己血糖測定器本体だけでは血糖値は測定できません。
測定用センサー(試験紙)
血液をつけて測定器に差し込む使い捨てのパーツ。
本体と同じメーカーのセンサーでないと使えない場合がほとんどですので、確認して購入しましょう。
また、使用期限があるため、まとめ買いに注意しましょう。
穿刺針(ランセット)
指先から血を採るための使い捨て針。
各社で太さや痛みの程度が異なります。
細いほど痛みは少ないですが、出血量が少なめになるため、
使用する自己血糖測定器によっては血液が足りないことがあります。
自己血糖測定器の基本的な使い方(例)
①手洗いを行う。
※果汁がついて、乾いた状態だとアルコール綿花による消毒だけだと、果汁の糖が影響する。
②指先をアルコール綿で消毒する
※消毒後はしっかり乾かす。濡れた状態だと血糖値が低めにでることがある。
②穿刺器で指に小さな穴をあけ、1~2滴の血液を出す
③血液をセンサー(試験紙)に乗せる
④測定器にセンサーを差し込み、数秒で血糖値が表示される
腕時計型・非穿刺型の血糖測定器はどうなの?
最近、SNSや通販サイトで見かける
「腕時計型の血糖測定器」
「針を使わない血糖測定器」もありますが…
現時点では、医療用としての精度が担保されていません。
多くは医療機器としての認可を受けておらず、
数値に大きな誤差があることが報告されています。
日本糖尿病学会も、「現時点で非侵襲型(針を刺さない)血糖測定器は、
臨床現場で使用するには信頼性に欠ける」と注意喚起しています。
参考:日本糖尿病協会 スマートウオッチによる血糖(グルコース)測定に関する見解
HbA1cと血糖値はどう違う?
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー):過去1〜2か月の平均血糖値を表す
血糖値:今この瞬間の血糖値を測定する
つまり、HbA1cではわからない「血糖値の変動」を見るには、血糖値の測定が不可欠です。
特に、血糖値スパイク(食後高血糖)や低血糖を把握するには、自己血糖測定がとても有効です。
まとめ
- 自己血糖測定器は、糖尿病予防や糖尿病治療に役立つ重要なツールです
- 腕時計型の血糖測定器は、現時点では医療用としての使用は推奨されていません
- HbA1cと自己血糖測定を併用することで、より効果的な血糖管理が可能です
自己血糖測定器の導入を検討されている方は、まずは医療機関で相談し、適切な指導を受けることをおすすめします。