「持続血糖モニター(CGM)はいつ使ったらいいの?」
「血糖自己測定しているから大丈夫」
「フリースタイルリブレ2やデクスコムG7を装着するだけでヘモグロビンA1c(HbA1c)がよくなるの?」
持続血糖モニター(リアルタイム持続血糖測定器)とは
持続血糖モニター(CGM、リアルタイム持続血糖測定器)にはフリースタイルリブレ2,デクスコムG7、ガーディアンセンサー4などがあります。
持続血糖モニターの活用が当たり前の時代に
持続血糖モニター(リアルタイム持続血糖測定器)が糖尿病診療において広く用いられるようになってきました。
1型糖尿病、2型糖尿病などの糖尿病の病型を問わず、持続血糖測定器(持続血糖モニター、CGM)の活用の有用性が報告(下図)されています。
保険診療ではインスリン注射中の方に以前から提供可能でした。
現在では、インスリン注射中でなくても、選定療養で糖尿病の方に持続血糖モニターが提供可能になりました。
REAL J研究のご紹介
澤木内科・糖尿病クリニックが参加しましたリアルタイム持続測定器の使用と糖尿病患者の血糖コントロールに関する観察研究の結果が
岡山県で開催されました第68回日本糖尿病学会で発表されました。
筆頭著者の東海大学教授 豊田雅夫先生が研究グループを代表して、ご講演くださいました。
「リアルタイム持続血糖測定器(CGM)」という道具が、血糖値のコントロールがうまくいっていない糖尿病の人にどれくらい役立つのかを調べました。
糖尿病の人は、血液の中の「血糖(けっとう)」という糖の量が高くなりすぎないように、毎日薬や注射(インスリン)で治療しています。
でも、中にはがんばって治療していても、なかなか良い状態にならない人もいます。
そういう人たちに、新しい道具であるリアルタイムCGMを使ってもらい、血糖値がどれくらいよくなったかを見ました。
このリアルタイムCGMは、Dexcom G6(デクスコム・ジーシックス)という名前のもので、
体にセンサーをつけることで、1日中ずっと血糖値を自動で測ってくれる道具です。
スマホなどの画面で、リアルタイムで血糖値が見えるので、自分の血糖が上がりすぎていないかすぐに分かります。
この研究では、次のような人たちを調べました。
Dexcom G6を6か月(26週間)以上使っている
18歳以上
CGMを始める前のHbA1c(へもぐろびん・えーわんしー)が7.5%以上だった人
HbA1cというのは、過去1〜2か月の血糖の平均を表す数値で、糖尿病の治療がうまくいっているかをチェックするのに使われます。
調べた人の数は192人で、日本全国30か所の病院からデータを集めました。
患者さんのほとんど(9割)は1型糖尿病というタイプの糖尿病でした。
平均の年齢は約44歳、女性が多めでした。
その結果、CGMを使う前のHbA1cは平均で「8.61%」と高かったのですが、
6か月使った後には「7.88%」まで下がっていました。
その前後で、治療状況は変わっていませんでした。
治療は変わっていないのにCGMを装着したあと、高かった血糖値が下がりました。
これは統計的にもしっかりとした差があり(P<0.001)、
CGMを使うことで血糖コントロールが良くなったといえる結果です。
つまりこの研究から、
「CGMを使うことで、これまで治療がうまくいっていなかった人たちの血糖が改善する可能性がある」
ということが分かりました。
これからもっと詳しく調べることで、どんな人にとくに向いているのか、
どんな使い方がいいのかもはっきりしてくると期待されています。