糖尿病と一口にいっても、さまざまな原因で起こることが報告されています。
糖尿病は生活習慣病のイメージが強いです。
体質(遺伝)の要素もあり、いちがいに生活習慣が悪いとレッテルを貼るのは問題があります。
一方で、どのタイプの糖尿病でも、治療の際には、食事療法(あるいは、食事に配慮すること)が有効となりますので、生活習慣に多少なりとも気を付けることが必要です。
糖尿病の分類は成因からはおおきく3つに分けられています。(日本糖尿病学会 糖尿病診断基準に関する調査検討委員会より改変)
1)1型糖尿病
膵ベータ細胞の破壊、通常は絶対的なインスリン欠乏に至る病態と定義されます。
自己免疫性(1A)と特発性(1B)に分類されます。
2)2型糖尿病
インスリン分泌の低下が主体のものと、インスリン抵抗性が主体で、それにインスリンの相対的不足を伴うものがあります。
3)その他の特定の機序、疾患によるもの
A)遺伝子異常
膵ベータ細胞機能に関する遺伝子異常
インスリン作用の伝達機構に関わる遺伝子異常
B)他の疾患、条件に伴うもの
膵外分泌疾患、内分泌疾患、肝疾患、薬剤や化学物質によるもの
感染症
免疫機序によるまれな病態
その他の遺伝症候群で糖尿病を伴うことが多いもの
4)妊娠糖尿病
■ワンポイントアドバイス
詳細な問診、診察、検査から分類します。
どのタイプか知ることで、治療に役立つ場合と、現時点ではあまり役立たない場合がありますので、患者さんと相談の上、鑑別を進めていきます。