「やせているのにどうして、糖尿病になったんだろう。」

「家族に糖尿病にわずらっている人はいないんです。」

「食生活は変わっていないのに、年をとって急に糖尿病になるなんて、ショック」

「運動はがんばっているのにどうして、糖尿病になったんだろう。」

そんな患者さんの悩みをうかがったときに、膵臓がんと糖尿病の関係に注意を向けるようにしています。

糖尿病と診断されて、やっぱりとお感じになる方もいれば、なんで私がという納得がいかないとおっしゃるかたも
おられます。

糖尿病という慢性的に持続的に血糖が高いという状況になってもその原因はさまざまです。

糖尿病患者さんの主治医になることが多い、糖尿病専門医は常に、糖尿病の原因が膵臓がんの可能性がないかを頭の片隅におきながら
診療をおこなっております。

膵臓がんの症状は腹痛,食欲不振,早期の腹満感,黄疸,体重減少,背部痛があげられますが、
糖尿病の新規発症や糖尿病の悪化が膵臓がんによるものであることがあります。

膵臓のランゲルハンス島のベーター細胞で、血糖を下げる働きがある、インスリンが生成、分泌されます。
膵臓にダメージがあるとインスリン生成、分泌に影響がでて、血糖が悪化します。

日本癌治療学会がん診療ガイドラインでは、

日本からの報告で膵癌患者の 3〜7 %は膵癌の家族歴があるとされています。

他に膵臓癌の危険因子として糖尿病や慢性膵炎,膵管内乳頭粘液性腫瘍,膵嚢胞などの膵臓疾患,
肥満や喫煙,大量飲酒があげられています。

日本人の2型糖尿病の特徴として、小太りになって、糖尿病になる方が多いです。
肥満でないのに糖尿病になった場合は可能性を考慮しなければいけないことの1つが、膵臓がんです。

早期膵癌であればあるほど、症状もなく、採血で、膵関連酵素や腫瘍マーカーも正常で発見が極めて困難です。

糖尿病患者さん全員に膵臓がんの検査の実施を一律実施するようには費用対効果の面からも許されていません。
採血異常のない糖尿病患者さんのどんな方に膵臓がんを疑って調べるか、参考になる報告がなされました。

 

 

 

 

 

 

 

とされています。

すなわちご家族に糖尿病の方がいないのに糖尿病を発症された方の中で
ご高齢であったり、体重減少が著しかったり、発症前から非肥満であったりすると、

膵がんが隠れていないか、特に注意して、探すようにしています。
ただ、注意をしていても万能ではありません。

急激に症状なく、膵がんが大きくなることもあり、早期に発見することがとてもむずかしいやっかいな病気です。