食べる順番を変えるだけで血糖値が下がる!?ダイエット効果も期待される理由

テレビなどのメディアでも盛んに紹介された“ベジファースト”。皆さんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
ベジファーストとは、食事の最初に野菜のおかずを食べることを言います。ベジファーストをすると食後の急激な血糖値上昇が抑えられたり、ダイエット効果もあるとされていますが…

食べる順番に気を付けるだけで、本当にそんな効果があるの?

と半信半疑の方も多いはず。
今回の記事では、食べる順番を変えるとどうして血糖上昇が抑えられたりダイエット効果があるのか、また、効果的な食べ順の方法などを解説します!

食後の血糖上昇が抑えられる秘密は食物繊維

野菜に多く合まれる食物繊維は、先に食べることで、後から食べたものの吸収を遅らせる働きがあります。
つまり、ごはん(米飯)などの糖質を多く含む食べ物よりも先に野菜を食べることで、糖質の吸収を遅らせることができます。

吸収が遅くなったところで、血糖値は上がるのでは?

食後、全く血糖値が上がってはいけないということではないんですよ。

体にとって良くないのは、血糖値が急激に上昇しすぎてしまう、いわゆる“血糖値スパイク”。食物繊維は、糖質の吸収を遅らせ血糖値が上がるのを緩やかにすることで、血糖値スパイクを抑えるよう働きます。

同じように「野菜」を摂るのであれば、食物繊維が多い野菜の方が効果的。きのこや海藻、麦や玄米などの穀類にも食物繊維は豊富ですよ。

野菜の次はたんぱく質を摂ろう

実は野菜だけではなく、肉や魚などのたんぱく源にも「食後の血糖値上昇を抑える」効果があります
肉や魚などを食べると、腸からインクレチンというホルモンが分泌されます。インクレチンホルモンは胃の運動をゆっくりにすることで、消化を遅らせる→糖質の吸収をゆっくりにさせる効果があります。そのため食物繊維と同様、ごはんより先に肉や魚を食べると、食後の血糖値スパイクを抑えることが期待できます。

ごはんが最後なのは分かったけど、野菜と肉・魚の順番はどっちが先でも良いんじゃないの?

野菜に含まれる食物繊維には、糖質の吸収を遅らせるだけでなく、コレステロールの吸収を抑える働きもあります
そのため特にコレステロールの多い肉類よりも先に、野菜を食べるのがおすすめです。

食物繊維を先にお腹の中で待ち伏せさせておくことが重要なんだね!

注意!少食の方や高齢者の方は必ずしもベジファーストが良いとは限らない

野菜を最初に食べるとお腹がいっぱいになり肉や魚などのたんぱく源を食べられなくなってしまう、という方は、必ずしも野菜を最初に食べる必要はありません。たんぱく質は三大栄養素(エネルギー産生栄養素)と言われるように体にとってとても大切な栄養素で、筋肉や髪、爪など体全体を作る役割をしています。たんぱく質が不足すると、筋肉が減ってしまう可能性があります。たんぱく質をしっかり摂るために、満腹で肉や魚が食べられない場合は、これらのたんぱく源を最初に食べることも検討しましょう。

食後の血糖値を下げるとダイエット効果もある

食後に血糖値が急激に上がると、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが大量に分泌されます。インスリンには脂肪を合成する&脂肪の分解を抑制する働きがあります。そのため食後の血糖値が上がりすぎてしまうことによって過剰にインスリンが分泌されると、太ってしまう恐れがあるのです。

問題なのは過剰なインスリンの分泌であり、適量のインスリンは血糖値を一定に保つために不可欠です。

  • 食物繊維をしっかり摂る
  • 食べ順に気を付ける
  • 炭水化物の量を適量にする

上記を心がけて、食後の血糖値上昇を抑え、インスリンの過剰分泌を防ぎましょう。

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このブログは澤木内科・糖尿病クリニック(大阪府高槻市)の管理栄養士が運営しています。
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