こんにちは。
澤木内科・糖尿病クリニック院長の澤木秀明です。
糖尿病の患者さんから、最近このようなご相談を受けることが増えています。
「フリースタイルリブレ2を使ってみたいです」
「食後に血糖値がどれくらい上がっているのか知りたいです」
「リブレを使えば、何を食べると血糖値が上がるかわかりますか?」
「インスリンを使っていなくてもリブレ2は使えますか?」
「糖尿病ではないのですが、血糖値スパイクが気になるのでCGMを使えますか?」
フリースタイルリブレ2(FreeStyle Libre2)は、血糖値そのものを直接測る機械ではなく、皮下の間質液中のグルコース値を測定し、血糖値の変化を推定する持続グルコース測定器です。
難しく聞こえるかもしれませんが、患者さん向けに言うと、
「血糖値の流れを見える化する道具」
です。
通常の採血や指先の血糖測定では、血糖値の一瞬の値しかわかりません。
一方で、フリースタイルリブレ2を使うと、食後にどれくらい上がったか、夜間に下がりすぎていないか、運動でどう変わるかなど、血糖の動きを確認しやすくなります。
この記事では、フリースタイルリブレ2とは何か、どのような方に役立つのか、保険診療・選定療養・自費CGMの違い、そして澤木内科・糖尿病クリニックでどのように活用しているかをわかりやすく解説します。
- フリースタイルリブレ2とは?
- 「血糖値の点」ではなく「血糖値の流れ」がわかります
- フリースタイルリブレ2でわかる主な指標
- インスリン治療中の方は保険診療で継続的に使いやすい場合があります
- インスリン治療をしていない糖尿病の方は「選定療養」で継続使用できる場合があります。※皮下連続式グルコース測定でも可能な場合があります。
- 糖尿病がない方でも、自費CGMとして使える場合があります
- 条件が合う糖尿病の方では、短期間の皮下連続式グルコース測定を検討できることがあります
- フリースタイルリブレ2は「装着して終わり」ではありません
- フリースタイルリブレ2を使うときの注意点
- リブレケアLINEなどのサポートもあります
- フリースタイルリブレ2はどんな方に向いていますか?
- 澤木内科・糖尿病クリニックでの活用
- まとめ
- 関連ページ
- 参考文献
フリースタイルリブレ2とは?
フリースタイルリブレ2は、上腕の後ろ側に小さなセンサーを装着して、間質液中のグルコース値を測定する機器です。
添付資料では、フリースタイルリブレ2は1分ごとにリアルタイムでグルコース値を測定し、最長14日間データを保存すると説明されています。また、低グルコース値アラート、高グルコース値アラート、受信圏外アラートを選択できることも示されています。
つまり、フリースタイルリブレ2では、次のようなことがわかりやすくなります。
・食後に血糖値がどれくらい上がるか
・夜間に低血糖が起きていないか
・運動後に血糖値がどう変わるか
・間食や外食で血糖値がどう動くか
・薬やインスリンの効き方が生活に合っているか
糖尿病治療では、HbA1cも大切です。
しかし、HbA1cは平均の指標です。
同じHbA1cでも、血糖値が大きく乱高下している方もいれば、比較的安定している方もいます。
その違いを見やすくするのが、CGMの大きな役割です。
「血糖値の点」ではなく「血糖値の流れ」がわかります
通常の採血では、その瞬間の血糖値がわかります。
たとえば、診察室で測った血糖値が120mg/dLだったとしても、朝食後に250mg/dLまで上がっていたのか、夜中に低血糖があったのかは、採血だけではわかりません。
フリースタイルリブレ2を使うと、血糖の流れが見えやすくなります。
患者さんからは、
「朝のパンでこんなに上がるとは思いませんでした」
「ラーメンの後は長く高いままでした」
「食後に歩くと血糖値の上がり方が変わりました」
「夜中に低血糖になっていることに気づきました」
というような気づきにつながることがあります。
これは、患者さんを責めるためのデータではありません。
むしろ、患者さんが無理なく工夫するための手がかりです。
フリースタイルリブレ2でわかる主な指標
CGMでは、単に「高い・低い」を見るだけではありません。

代表的には、次のような指標を見ます。
TIR:目標範囲内にいる時間
血糖値が目標範囲に入っている時間の割合です。
TAR:目標範囲より高い時間
高血糖の時間がどれくらいあるかを見ます。
TBR:目標範囲より低い時間
低血糖の時間がどれくらいあるかを見ます。
AGP:血糖の流れを見やすくまとめたレポート
日々の血糖変動のパターンを確認しやすくなります。
添付資料でも、FreeStyleリブレLinkアプリやリブレViewにより、血糖トレンドを確認し、医療従事者とデータを共有しやすくなることが示されています。
血糖値は、患者さんの生活と深く関係しています。
だからこそ、数字だけを見るのではなく、食事・運動・睡眠・薬・インスリン・体調と結びつけて見ることが大切です。
インスリン治療中の方は保険診療で継続的に使いやすい場合があります
インスリン治療中の方では、フリースタイルリブレ2のような持続グルコース測定器が、保険診療の中で使いやすい場合があります。
添付資料でも、保険コードとして血糖自己測定器加算 C150-7、また皮下連続式グルコース測定 D231-2が示されています。
特にインスリン治療中の方では、
・低血糖が心配
・食後高血糖がある
・夜間低血糖が疑われる
・インスリン量の調整が難しい
・HbA1cは悪くないのに血糖変動が大きい
・仕事や運動とインスリン調整のバランスが難しい
といった場面で、CGMが役立つことがあります。
ただし、保険診療で使えるかどうかは、治療内容、インスリン使用状況、施設基準、診療報酬上の要件によって変わります。
そのため、実際に保険で使えるかどうかは診察時に確認が必要です。
インスリン治療をしていない糖尿病の方は「選定療養」で継続使用できる場合があります。※皮下連続式グルコース測定でも可能な場合があります。
インスリン治療をしていない2型糖尿病の方でも、
「食後血糖を見たい」
「どの食事で血糖値が上がるか知りたい」
「自分に合う食事や運動を見つけたい」
「リブレ2やDexcom G7を治療に活かしたい」
という方は少なくありません。
このような場合、保険診療の対象にならない使用については、選定療養という仕組みで、保険診療と自費負担を組み合わせて使える場合があります。
厚生労働省は、選定療養の類型の一つとして「間歇スキャン式持続血糖測定器」を挙げています。選定療養とは、患者さんの選択により特別の料金を支払うことで、保険外の診療と保険診療を併用する仕組みです。
澤木内科・糖尿病クリニックでは、糖尿病と診断されていて、インスリン製剤を使用していない方を対象に、リブレ2またはDexcom G7の選定療養に対応しています。当院ページでは、選定療養制度の対象、対象外となる方、費用、注意点を掲載しています。
選定療養では、単に機器を渡して終わりではありません。
当院では、得られたデータを診療に活かし、食事、運動、薬、体重、HbA1cなどと合わせて、糖尿病治療を考えることを重視しています。
糖尿病がない方でも、自費CGMとして使える場合があります
糖尿病と診断されていない方でも、
「血糖値スパイクが気になる」
「食後に眠気が強い」
「どの食事で血糖値が上がるか知りたい」
「健康管理のためにCGMを体験したい」
という方が増えています。
澤木内科・糖尿病クリニックでは、糖尿病がない方に対しても、平日限定の自費CGM外来として、フリースタイルリブレ2やDexcom G7を用いたCGMドッグ外来を案内しています。公式サイトの診療メニューにも、糖尿病ではない方を対象としたCGMドッグ外来が掲載されています。
ただし、糖尿病がない方のCGMは、病気の診断を目的に自己判断で行うものではありません。
血糖の動きを知ることで、生活習慣を見直すきっかけにするものです。
血糖値が高い、糖尿病が心配、健診で異常を指摘されたという場合は、CGMだけで判断せず、血液検査や医師の診察を受けることが大切です。
条件が合う糖尿病の方では、短期間の皮下連続式グルコース測定を検討できることがあります
糖尿病の病名があり、治療に前向きで、血糖変動を確認する医学的な必要性がある方では、条件が合えば、一定期間の検査として皮下連続式グルコース測定を行うことを検討できる場合があります。
たとえば、
・食後高血糖が疑われる
・低血糖が疑われる
・HbA1cと日々の血糖値の印象が合わない
・薬の調整や食事療法の見直しに血糖データが必要
・生活習慣の改善に取り組む意欲がある
このような場合に、6か月に2回までを目安として、検査としての皮下連続式グルコース測定を検討できることがあります。
ただし、これは誰でも自動的に使えるという意味ではありません。
診療報酬上の要件、医療機関の届出、患者さんの状態、治療目的によって変わります。
そのため、実際に利用できるかどうかは診察時に確認します。
フリースタイルリブレ2は「装着して終わり」ではありません
フリースタイルリブレ2は、とても便利な機器です。
しかし、装着して数値を見るだけでは十分ではありません。
大切なのは、データをどう解釈するかです。
たとえば、
朝食後だけ大きく上がっているのか
夕食後に長く高いのか
夜間低血糖があるのか
運動後に下がりすぎていないか
薬の効き方が生活に合っているか
間食が血糖値にどのくらい影響しているか
こうした点を、医師、看護師、管理栄養士と一緒に確認することで、治療に活かしやすくなります。
ADA 2026でも、2型糖尿病でインスリンを使っていない方や基礎インスリン治療中の方においても、間欠的なCGM使用によりA1Cの改善が示された研究があること、またCGMはデータの解析・教育・薬剤調整・生活習慣の変更と組み合わせて使うべきであることが述べられています。
つまり、CGMは「見るだけの機械」ではなく、
治療を見直すための道具
です。
フリースタイルリブレ2を使うときの注意点
フリースタイルリブレ2を使う時には、いくつか注意点があります。
まず、リブレ2は血液中の血糖値を直接測っているわけではありません。
皮下の間質液中のグルコース値を測定しています。
そのため、血糖値が急に変化している時や、症状と表示された値が合わない時には、指先穿刺による血糖測定が必要になることがあります。
添付資料でも、低血糖の危険が報告された場合や、症状と測定値が一致しない場合などには、指先穿刺による血糖測定を行う必要があるとされています。
また、装着部位のかぶれや皮膚トラブルが起こることがあります。
ADA 2026でも、CGMなど皮膚に貼付するデバイスでは接触皮膚炎が報告されることがあり、定期的に粘着剤による反応を確認することが重要とされています。
さらに、リブレ2やDexcom G7を装着したまま、レントゲン、CT、MRI検査を受けることはできません。また、ペースメーカ装着されている方はリブレ2は不可です。(デクスコムg7は可能です。)当院の選定療養ページでも、これらの検査予定がある場合は予約日に注意するよう案内しています。
リブレケアLINEなどのサポートもあります
フリースタイルリブレ2を使い始める時には、装着方法、アプリの設定、アラート、センサーのトラブルなど、不安が出ることがあります。
添付資料では、FreeStyleリブレファミリーを使う糖尿病の方をサポートするプログラムとして、リブレケアLINEが紹介されています。LINEやメール、電話でサポートを受けられること、使い方サポート動画やよくある質問、お問い合わせ機能、オンラインセンサー交換申請などが案内されています。
機器は、慣れるまで不安があって当然です。
当院でも、必要に応じて装着方法やスマートフォン連動などをサポートしています。
フリースタイルリブレ2はどんな方に向いていますか?
フリースタイルリブレ2は、次のような方に役立つことがあります。
・インスリン治療中で低血糖が心配な方
・食後高血糖が気になる方
・HbA1cがなかなか下がらない方
・食事や運動で血糖値がどう変わるか知りたい方
・夜間低血糖が疑われる方
・薬の効果を生活の中で確認したい方
・糖尿病の治療に前向きに取り組みたい方
・糖尿病ではないが、自費で血糖変動を知りたい方
一方で、データを見すぎて不安が強くなる方もいます。
そのため、数値だけを追いかけすぎず、医療者と一緒に意味を確認することが大切です。
澤木内科・糖尿病クリニックでの活用
澤木内科・糖尿病クリニックでは、血糖コントロールでお困りの方に対して、食事、運動、薬、インスリン、CGMなどを組み合わせて、患者さん一人ひとりに合った治療を一緒に考えています。
当院の「血糖コントロールでお困りの糖尿病患者さんへ」のページでも、血糖コントロールに最適な方法は患者さんによって異なるため、「何が原因で血糖値が上がっているのか」「どうして血糖値が下がらないのか」を確認する必要があると説明しています。
また、当院では1型糖尿病の方に対して、インスリンポンプ、AID・SAP療法、SMBG、フリースタイルリブレ2、リアルタイムCGM、Dexcom G7、ガーディアン4スマートCGMなどを活用した専門的治療にも対応しています。
CGMを使う目的は、患者さんを責めることではありません。
血糖値が上がる理由を一緒に見つけ、無理なく続けられる治療に近づけることです。
まとめ
フリースタイルリブレ2は、血糖値の流れを見える化するための便利な機器です。
インスリン治療中の方では、要件を満たす場合、保険診療の中で継続的に使いやすいことがあります。
インスリン治療をしていない糖尿病の方でも、継続的に使いたい場合は、選定療養として利用できる場合があります。
糖尿病がない方でも、血糖変動を知りたい場合は、自費CGMとして利用できる場合があります。
糖尿病の病名があり、治療意欲があり、条件が合う方では、検査としてのグルコース持続測定を検討できることもあります。
ただし、どの方法で使えるかは、治療内容、保険診療の要件、医療機関の届出、患者さんの状態によって異なります。
大切なのは、フリースタイルリブレ2を「ただ装着すること」ではなく、得られたデータを治療に活かすことです。
食事で血糖値が上がる理由を知りたい方、夜間低血糖が心配な方、HbA1cがなかなか下がらない方、リブレ2やDexcom G7を治療に活かしたい方は、医療機関で相談してみてください。
澤木内科・糖尿病クリニックでは、糖尿病専門医として、患者さんの血糖データを一緒に確認しながら、生活に合った治療方法を考えていきます。
関連ページ

参考文献
FreeStyleリブレ2 製品情報
FreeStyleリブレケアLINE 資料
American Diabetes Association. Standards of Care in Diabetes—2026.
厚生労働省:保険外併用療養費制度について
澤木内科・糖尿病クリニック:血糖コントロールでお困りの糖尿病患者さんへ
澤木内科・糖尿病クリニック:リブレ2・Dexcom G7の選定療養について
澤木内科・糖尿病クリニック:1型糖尿病の患者さんへ

