※2026年7月、フリースタイルリブレ2の表示材料改訂を受けて、CT・X線検査時のセンサーの取り扱いに関する内容を更新しました。
こんにちは。
澤木内科・糖尿病クリニック院長の澤木秀明です。
糖尿病の患者さんから、このようなご相談を受けることが増えています。

何を食べると血糖値が上がるのか、自分では分からない。
HbA1cは7.8%。薬を飲んでいるのに数値が改善しない、という状況でした。
そこでフリースタイルリブレ2(FreeStyle Libre 2)を使ってみると、朝食のパンの後に血糖値が急上昇していることが分かりました。

こんなに上がっていたとは思いませんでした。
血液検査では分からなかった、数値が改善しない原因が見えてきたのです。

このように、フリースタイルリブレ2は、血糖値がいつ・どのくらい変化しているかを確認できる機器です。
血糖値を「点」ではなく「流れ」で見ることで、治療の手がかりが見えやすくなることがあります。

通常の採血や指先の血糖測定では、血糖値の一瞬の値しか分かりません。
一方で、フリースタイルリブレ2を使うと、食後にどれくらい上がったか、夜間に下がりすぎていないか、運動でどう変わるかなど、血糖値(後述しますが、正確にはセンサーグルコース値)の動きを痛みを伴わず確認しやすくなります。
- フリースタイルリブレ2とは?
- 「血糖値の点」ではなく「血糖値の流れ」がわかります
- フリースタイルリブレ2でわかる主な指標
- インスリン治療中の方は保険診療で継続的に使いやすい場合があります
- インスリン治療をしていない方は「選定療養」で継続使用できる場合があります
- 糖尿病がない方でも、自費CGMとして使える場合があります
- 条件が合う方では、CGMを検査として短期間使用できる場合があります
- フリースタイルリブレ2は「装着して終わり」ではありません
- フリースタイルリブレ2を使うときの注意点
- リブレケアLINEなどのサポートもあります
- フリースタイルリブレ2はどんな方に向いていますか?
- 澤木内科・糖尿病クリニックでの活用
- まとめ
- 関連ページ
- 参考文献
フリースタイルリブレ2とは?
フリースタイルリブレ2は、上腕の後ろ側に小さなセンサーを装着して、血糖値の変化を確認する機器です。

このように、24時間の血糖値の変化を確認できる機器を、CGM(持続グルコース測定)といいます。

と言っても、正確には血糖値を直接測定しているわけではありません。
皮下の間質液中のグルコース値(センサーグルコース値)を測定し、血糖値の変化を推定しています。
そのため、急激に血糖値が変化している場面では、実際の血糖値との間に差が生じることがあります。
メーカーの資料によると、フリースタイルリブレ2は1分ごとにリアルタイムでグルコース値を測定し、最長14日間データを保存します。
「血糖値の点」ではなく「血糖値の流れ」がわかります
通常の採血では、その瞬間の血糖値がわかります。
たとえば、診察室で測った血糖値が120mg/dLだったとしても、朝食後に250mg/dLまで上がっていたのか、夜中に低血糖があったのかは、採血だけではわかりません。
フリースタイルリブレ2を使うと、血糖の流れが見えやすくなります。
患者さんは、
「朝のパンでこんなに上がるとは思わなかった」
「ラーメンの後は長く高いままだった」
「食後に歩くと血糖値の上がり方が変わった」
「夜中に低血糖になっていることに気づいた」
というような気づきにつながることがあります。

これは、患者さんを責めるためのデータではありません。
むしろ、患者さんが無理なく工夫するための手がかりです。
フリースタイルリブレ2でわかる主な指標
CGMでは、単に「高い・低い」を見るだけではありません。
代表的には、次のような指標を見ます。
TIR:目標範囲内にいる時間
血糖値が目標範囲に入っている時間の割合です。
TAR:目標範囲より高い時間
高血糖の時間がどれくらいあるかを見ます。
TBR:目標範囲より低い時間
低血糖の時間がどれくらいあるかを見ます。
AGP:血糖の流れを見やすくまとめたレポート
日々の血糖変動のパターンを確認しやすくなります。

血糖値(センサーグルコール値)は、スマートフォンアプリでリアルタイムに確認することができます。
メーカー資料でも、フリースタイルリブレ2のアプリを使用することにより、血糖トレンドを確認し、医療従事者とデータを共有しやすくなることが示されています。
血糖値は、患者さんの生活と深く関係しています。
だからこそ、数字だけを見るのではなく、食事・運動・睡眠・薬・インスリン・体調と結びつけて見ることが大切です。
インスリン治療中の方は保険診療で継続的に使いやすい場合があります
インスリン治療中の方は、フリースタイルリブレ2のようなCGM(持続グルコース測定器)を、保険診療で継続して使用できる場合があります。
特に、次のような場合にはCGMが役立つことがあります。
- 低血糖が心配な方
- 食後の血糖値が高くなりやすい方
- 夜間低血糖が疑われる方
- インスリン量の調整が難しい方
- HbA1cは悪くないのに血糖値の変動が大きい方
- 仕事や運動に合わせたインスリン調整が難しい方
CGMを活用することで、血糖値の変化を把握しやすくなり、インスリン治療の調整や低血糖の予防に役立つことがあります。
インスリン治療をしていない方は「選定療養」で継続使用できる場合があります
インスリン治療をしていない2型糖尿病の方でも、CGMを使って血糖値の変化を詳しく知りたいという方は少なくありません。
例えば、次のような方です。
- 食後に血糖値がどれくらい上がるのか知りたい
- どの食事で血糖値が上がりやすいのか確認したい
- 自分に合った食事や運動を見つけたい
- リブレ2を治療に活かしたい
このような場合、保険診療の対象とならない使用については、「選定療養」という制度を利用できる場合があります。

選定療養とは、保険診療と自費診療を組み合わせて受けられる制度です。CGMも一定の条件を満たす場合には、この制度を利用できることがあります。

澤木内科・糖尿病クリニックでは、糖尿病と診断されており、インスリン製剤を使用していない方を対象に、リブレ2またはDexcom G7の選定療養に対応しています。
対象となる方や費用、注意点については、当院ホームページで詳しくご案内しています。
CGMで得られたデータを、食事・運動・薬・体重・HbA1cなどと合わせて確認し、一人ひとりに合った治療につなげることを大切にしています。
糖尿病がない方でも、自費CGMとして使える場合があります
糖尿病と診断されていない方でも、CGMに興味を持つ方が増えています。
- 血糖値スパイクが気になる
- 食後に眠気が強い
- どの食事で血糖値が上がるのか知りたい
- 健康管理のためにCGMを体験してみたい

澤木内科・糖尿病クリニックでは、糖尿病ではない方を対象とした「CGMドッグ外来(自費CGM外来)」を平日限定で行っています。
フリースタイルリブレ2を使用し、血糖値の変化を確認しながら、食事や運動など生活習慣を見直すきっかけとして活用しています。

CGMドッグは、「病気を診断する検査」ではありません。自分の血糖値の動きを知り、食事や運動などの生活習慣を見直すために活用するものです。
条件が合う方では、CGMを検査として短期間使用できる場合があります
糖尿病と診断されている方では、血糖値の変化を詳しく調べる必要がある場合に、CGMを一定期間装着して検査を行うことがあります。
例えば、次のような場合です。
- 食後の血糖値が高いことが疑われる
- 低血糖が疑われる
- HbA1cと日々の血糖値の状態が一致しない
- 薬や食事療法を見直すために詳しい血糖データが必要
- 生活習慣の改善に血糖データを活用したい


この検査は、血糖値の変化を詳しく調べ、より良い治療につなげることが目的です。
すべての方が対象になるわけではなく、必要性を診察で判断します。
この場合のCGM装着は「検査」として行うため、診療報酬上の要件や患者さんの状態などを踏まえ、医師が必要と判断した場合に検討します。
実際に利用できるかどうかは医療機関によって異なりますので、主治医にご相談ください。
フリースタイルリブレ2は「装着して終わり」ではありません
フリースタイルリブレ2は、とても便利な機器です。
しかし、装着して数値を見るだけでは十分ではありません。
大切なのは、データをどう解釈するかです。
たとえば、
朝食後だけ大きく上がっているのか
夕食後に長く高いのか
夜間低血糖があるのか
運動後に下がりすぎていないか
薬の効き方が生活に合っているか
間食が血糖値にどのくらい影響しているか
こうした点を、医師、看護師、管理栄養士と一緒に確認することで、治療に活かしやすくなります。
ADA 2026(世界最大の糖尿病学会)でも、
- 2型糖尿病でインスリンを使っていない方や基礎インスリン治療中の方において、間欠的なCGM使用によりHbA1cの改善が示された研究があること
- CGMはデータの解析・教育・薬剤調整・生活習慣の変更と組み合わせて使うべきであること
が述べられています。

つまり、CGMは「見るだけの機械」ではなく、治療を見直すための道具です。
フリースタイルリブレ2を使うときの注意点
フリースタイルリブレ2を使う時には、いくつか注意点があります。
まず、リブレ2は血液中の血糖値を直接測っているわけではありません。
皮下の間質液中のグルコース値を測定しています(センサーグルコース値)。
そのため、血糖値が急に変化している時や、症状と表示された値が合わない時には、指先穿刺による血糖測定が必要になることがあります。
また、装着部位のかぶれなどの皮膚トラブルが起こることがあります。
ADA 2026(世界最大の糖尿病学会)でも、CGMなど皮膚に貼付する機器では接触皮膚炎が報告されており、装着部位の皮膚の状態を定期的に確認することが推奨されています。

CGMはとても便利な機器ですが、万能ではありません。特にインスリン治療中の方は、必要に応じて指先で血糖値を測定することも大切です。
リブレケアLINEなどのサポートもあります

リブレ2を使ってみたいけど、装着方法、アプリの設定、アラート、センサーのトラブルなど・・・大丈夫かな?

メーカーでは、リブレ2を安心して使えるように「リブレケアLINE」というサポートサービスを提供しています。
LINEやメール、電話で相談できるほか、使い方の動画、よくある質問、センサーの交換申請なども利用できます。

当院でも、必要に応じて装着方法やスマートフォン連動などをサポートしています。
フリースタイルリブレ2はどんな方に向いていますか?
フリースタイルリブレ2は、次のような方に役立つことがあります。
・インスリン治療中で低血糖が心配な方
・食後高血糖が気になる方
・HbA1cがなかなか下がらない方
・食事や運動で血糖値がどう変わるか知りたい方
・夜間低血糖が疑われる方
・薬の効果を生活の中で確認したい方
・糖尿病の治療に前向きに取り組みたい方
・糖尿病ではないが、自費で血糖変動を知りたい方
一方で、データを見すぎて不安が強くなる方もいます。
そのため、数値だけを追いかけすぎず、医療者と一緒に意味を確認することが大切です。
澤木内科・糖尿病クリニックでの活用
澤木内科・糖尿病クリニックでは、血糖コントロールでお困りの方に対して、食事、運動、薬、インスリン、CGMなどを組み合わせて、患者さん一人ひとりに合った治療を一緒に考えています。

当院の「血糖コントロールでお困りの糖尿病患者さんへ」のページでも、血糖コントロールに最適な方法は患者さんによって異なるため、「何が原因で血糖値が上がっているのか」「どうして血糖値が下がらないのか」を確認する必要があると説明しています。
また、当院では1型糖尿病の方に対して、インスリンポンプ、AID・SAP療法、SMBG、フリースタイルリブレ2、リアルタイムCGM、Dexcom G7、ガーディアン4スマートCGMなどを活用した専門的治療にも対応しています。

CGMを使う目的は、患者さんを責めることではありません。
血糖値が上がる理由を一緒に見つけ、無理なく続けられる治療に近づけることです。
まとめ
フリースタイルリブレ2は、血糖値の流れを見える化し、治療や生活習慣の改善に役立てるための機器です。
✅ インスリン治療中の方
要件を満たす場合は、保険診療で継続して使用できることがあります。
✅ インスリン治療をしていない糖尿病の方
継続して使いたい場合は、選定療養として利用できる場合があります。
✅ 糖尿病ではない方
血糖値の変化を知りたい場合は、自費CGMとして利用できる場合があります。
✅ 条件が合う糖尿病の方
一定期間の検査として、皮下連続式グルコース測定を検討できる場合があります。
ただし、どの方法で利用できるかは、治療内容、保険診療の要件、医療機関の届出、患者さんの状態などによって異なります。
大切なのは、フリースタイルリブレ2を「装着すること」ではなく、「得られたデータを治療に活かすこと」です。
食後の血糖値が気になる方、夜間低血糖が心配な方、HbA1cだけでは分からない血糖変動を知りたい方、リブレ2やDexcom G7を治療に活かしたい方は、一度医療機関へ相談してみてください。

関連ページ
参考文献
FreeStyleリブレ2 製品情報
FreeStyleリブレケアLINE 資料
American Diabetes Association. Standards of Care in Diabetes—2026.
厚生労働省:保険外併用療養費制度について
澤木内科・糖尿病クリニック:血糖コントロールでお困りの糖尿病患者さんへ
澤木内科・糖尿病クリニック:リブレ2・Dexcom G7の選定療養について
澤木内科・糖尿病クリニック:1型糖尿病の患者さんへ


