糖尿病でも外食できる?ラーメン・寿司・コンビニの考え方

糖尿病の治療

こんにちは。
澤木内科・糖尿病クリニック院長の澤木秀明です。

糖尿病の患者さんから、よくこのようなご相談を受けます。

「先生、ラーメンはもう一生食べられませんか?」

50代の男性患者さんが、うつむきながらそう聞いてきたことがあります。
糖尿病と診断されたばかりで、好きだったラーメンを
すでに3か月我慢していたそうです。

私はこう答えました。

院長 澤木秀明
院長 澤木秀明

「一生禁止ではありません。ただ、食べ方を少し変えましょう」

糖尿病の食事療法は、「何を禁止するか」ではなく
「どう食べるか」が大切です。
外食も、選び方次第でうまく付き合うことができます。

糖尿病の食事療法と聞くと、

「外食はだめ」
「ラーメンも寿司も禁止」
「コンビニ食は全部よくない」


と思ってしまう方もいらっしゃいます。

しかし、私は患者さんに、そのようにはお伝えしていません。

もちろん、毎日のように糖質や脂質、塩分の多い外食を続けることはおすすめできません。
一方で、糖尿病治療は長く続くものです。人生の中で外食を完全に避けることは、現実的ではありません。

院長 澤木秀明
院長 澤木秀明

大切なのは、
「外食を禁止すること」ではなく、「外食で血糖値が上がりにくい選び方を知ること」
です。

この記事では、糖尿病でも外食を楽しむために、ラーメン、寿司、コンビニ食をどう考えればよいのかを、糖尿病専門医の立場からわかりやすく解説します。

糖尿病でも外食はできます

結論から言うと、糖尿病でも外食はできます。

ただし、外食では次のような点に注意が必要です。

院長 澤木秀明
院長 澤木秀明

・糖質量が多くなりやすい
・脂質が多くなりやすい
・塩分が多くなりやすい
・野菜や食物繊維が不足しやすい
・食べる量が多くなりやすい
・飲み物やデザートで糖質が追加されやすい

日本糖尿病学会の糖尿病診療ガイドライン2024では、1型糖尿病・2型糖尿病の血糖コントロールのために食事療法が推奨されています。食事療法の内容は、低炭水化物食、中等度炭水化物食、低脂肪食、地中海食、低GI/低GL食など多様であり、食事習慣への介入は血糖コントロールに有効とされています。

ADA 2026でも、糖尿病の食事療法は個別化が基本で、非でんぷん野菜、果物、豆類、脂肪の少ないたんぱく質、全粒穀物、ナッツ、低脂肪乳製品などを重視し、砂糖入り飲料、菓子類、精製穀物、加工食品・超加工食品を減らすことが推奨されています。

つまり、糖尿病の外食では、
「何を食べてはいけないか」だけではなく、「どう組み合わせるか」
が大切です。

外食でまず見るべきポイントは3つです

外食で迷った時は、まず次の3つを見てください。

1つ目は、主食の量です。
ご飯、麺、パン、寿司のシャリ、丼物のご飯などは糖質を多く含みます。糖質は血糖値を上げる主な栄養素です。

2つ目は、たんぱく質と野菜があるかです。
肉、魚、卵、大豆製品などのたんぱく質、野菜、きのこ、海藻などを一緒にとることで、糖質だけに偏りにくくなります。

3つ目は、飲み物とデザートです。
食事を工夫しても、甘い飲み物やデザートを追加すると、糖質量が一気に増えることがあります。

外食では、
主食を少し控えめにする
先に野菜やたんぱく質を食べる
甘い飲み物を避ける
デザートは量と頻度を決める
この4つだけでも、血糖値への影響をかなり変えられることがあります。

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ラーメンは食べてもいいですか?

ラーメンは、糖尿病の方からよく質問される外食の一つです。

ラーメンは、麺に糖質が多く、スープに塩分が多く、さらにチャーシューや背脂などで脂質が多くなることがあります。
そのため、毎日のようにラーメンを食べることはおすすめしにくいです。

ただし、ラーメンを一生食べてはいけないという意味ではありません。

大切なのは、頻度と食べ方です。

ラーメンを食べる時は、次のような工夫があります。

・麺を大盛りにしない
・替え玉をしない
・スープを飲み干さない
・チャーハンや餃子とのセットを避ける、または誰かと分ける
・野菜トッピングを追加する
・食後に少し歩く
・食べる頻度を決める

特に注意したいのは、ラーメン+チャーハン+餃子のようなセットです。

これは、麺、米、皮という糖質が重なりやすく、脂質と塩分も多くなります。
塩分が多くなると糖質が欲しくなる方も少なくありません。
食べるなら、ラーメン単品にする、麺を少し残す、餃子は少量にする、スープは残すなどの工夫をおすすめしています。

患者さんには、
「ラーメンは禁止ではなく、セットにしない・大盛りが無料でも大盛りにしない・汁を全部飲み干さない」
とお伝えしています。

寿司は血糖値が上がりやすいですか?

寿司も、糖尿病の方から相談されることが多い食事です。

寿司は魚があるので健康的に見えますが、注意したいのはシャリです。
寿司のシャリにはご飯が使われており、さらに酢飯には砂糖が含まれることもあります。

そのため、寿司をたくさん食べると、思った以上に糖質量が多くなることがあります。

ただし、寿司も完全に禁止する必要はありません。

寿司を食べる時は、次のような工夫があります。

・何皿食べるか先に決める
・最初に味噌汁や茶碗蒸し、刺身、サラダを選ぶ
・軍艦や巻き寿司ばかりに偏らない
・甘いタレのものを重ねすぎない
・うどんやラーメンとのセットを避ける
・デザートや甘い飲み物を一緒にとりすぎない

回転寿司では、つい皿数が増えやすいです。
そのため、最初に「今日は何皿まで」と決めておくとよいです。

また、刺身、茶碗蒸し、味噌汁、サラダなどを組み合わせると、シャリだけに偏りにくくなります。

患者さんには、
「寿司は魚よりシャリを意識しましょう」
と伝えるようにしています。

コンビニ食は選び方で変わります

コンビニ食は、忙しい方にとってとても便利です。

糖尿病の方でも、コンビニを上手に使うことはできます。

ただし、選び方を間違えると、糖質や脂質、塩分が多くなりやすいです。

おすすめしやすい組み合わせは、たとえば次のようなものです。

おにぎり1個+サラダチキン+野菜スープ
もち麦おにぎり+ゆで卵+海藻サラダ
ロカボパン+チーズ+無糖ヨーグルト
豆腐バー+小さめのおにぎり+味噌汁
そば+温泉卵+野菜小鉢
低糖質麺+たんぱく質系のおかず

反対に注意したい組み合わせは、

菓子パン+甘いカフェオレ
おにぎり2個+カップ麺
大盛りパスタ+デザート
丼物+砂糖入り飲料
揚げ物弁当+ポテトサラダ+甘い飲み物

などです。

ただし、これも「絶対に食べてはいけない」という意味ではありません。
大切なのは、毎日の習慣にしないこと、量と頻度を決めること、主食だけで終わらせないことです。

コンビニ食では、
主食+たんぱく質+野菜・海藻・きのこ
の3つをそろえると、かなり選びやすくなります。

栄養成分表示ではここを見ましょう

コンビニやスーパーで買う時は、パッケージの表の言葉だけで判断しないようにしましょう。

「糖質オフ」
「カロリーオフ」
「ゼロ」
「健康」
「たんぱく質入り」

と書かれていても、実際にどれくらい糖質やカロリーが含まれているかは、裏面の栄養成分表示を見る必要があります。

まず確認するのは、

1個あたり
1袋あたり
100gあたり

のどの表示かです。

そのうえで、糖質が書かれていれば糖質量を見ます。
糖質が書かれていない場合は、炭水化物を糖質量の目安として見てください。

特にコンビニ食では、主食、飲み物、デザートの糖質が重なりやすいです。

たとえば、

おにぎり+野菜ジュース+ヨーグルト
パスタ+甘いカフェオレ
パン+果物ジュース

のように、単品では少しずつでも、合計すると糖質が多くなることがあります。

外食やコンビニでは、1品だけでなく食事全体の糖質量を見ることが大切です。

ロカボ食品は外食やコンビニで使えますか?

ロカボ食品は、外食やコンビニで上手に使うと便利です。

ロカボは、LowCarbで低糖質を意味します。
糖質をゼロにする考え方ではなく、食事をおいしく楽しく適正糖質の摂取を目指す考え方です。
1食あたり糖質20〜40g、間食10gを含めて1日70〜130g程度を目安(緩やかな糖質制限の考え方)です。

外食やコンビニでは、

ロカボパン
低糖質麺
糖質オフスイーツ
低糖質弁当
糖質量が表示された商品

などを使うことで、選択肢が広がります。

ただし、ロカボ食品にも注意点があります。

糖質が少なくてもカロリーが高いことがあります
脂質が多い商品もあります
食べすぎれば総エネルギーが増えます
商品によって糖質量に差があります
血糖値の上がり方には個人差があります

つまり、ロカボ食品は、
「食べ放題の食品」
ではなく、
「選び方を助けてくれる食品」
と考えるのがよいです。
どうしても好みではないとおっしゃる方がいらっしゃいます。
種類は豊富ですので、粘り強く、好みにあうロカボ食品を探すのもひとつです。

人工甘味料は外食やコンビニで使ってもよいですか?

人工甘味料、つまり非栄養性甘味料については、賛否があります。

患者さんからも、

「人工甘味料は体に悪いのでは?」
「ゼロカロリー飲料は飲まない方がいいですか?」
「血糖値が上がらないなら、毎日飲んでもいいですか?」

と聞かれることがあります。

ここは、極端に考えすぎないことが大切です。

ADA 2026では、非栄養性甘味料は、砂糖入り食品や飲料の代わりとして、適度に短期間使うことで、総カロリーや炭水化物の摂取を減らす選択肢になり得るとされています。

つまり、人工甘味料は
「敵」でも「万能」でもありません。

砂糖入りのジュースや甘いカフェオレを毎日飲んでいる方が、無糖や水などの低カロリーの飲み物に置き換える際、甘みを補う手段として、人工甘味料を使うことは、現実的な工夫の一つです。

一方で、人工甘味料を使っているから何でも健康になるわけではありません。
患者さんには、
「砂糖を減らすための道具として、上手に人工甘味料を使いましょう」
とお伝えしています。
個人的には、コカ・コーラゼロやセブンイレブンのゼロ飲料を活用しています。

外食で血糖値を上げにくくする食べ方

外食では、何を選ぶかだけでなく、食べ方も大切です。

おすすめしやすい工夫は次の通りです。

・野菜や海藻、きのこから食べる
・たんぱく質のおかずをしっかり食べる
・主食は最後の方にゆっくり食べる
・よく噛んで食べる
・大盛りを避ける
・食後に少し歩く
・甘い飲み物を水やお茶に変える
・デザートは量と頻度を決める

ただし、食べる順番だけで、どんな食事でも帳消しになるわけではありません。

たとえば、野菜から食べたとしても、最後に大盛りのご飯や麺、甘い飲み物、デザートをたくさんとれば、血糖値は上がりやすくなります。

食べる順番は大切ですが、全体の量と内容も一緒に見ることが必要です。

外食後の血糖値を知ることも大切です

同じ外食でも、血糖値の上がり方は人によって違います。

ラーメンで大きく上がる方もいれば、寿司で上がりやすい方もいます。
パンよりご飯の方が上がる方もいれば、その逆の方もいます。

CGM、つまり持続血糖測定(フリースタイルリブレ2やデクスコムg7)を使うと、外食後の血糖値(≒センサーグルコース値)の流れが見えやすくなります。

患者さんによっては、

「ラーメンの後に血糖値が長く高い」
「寿司は皿数が増えるとかなり上がる」
「コンビニの甘いカフェオレで上がっていた」
「食後に歩くと上がり方が変わる」

と気づくことがあります。

糖尿病の食事療法は、一般論だけではなく、自分の血糖値で確かめることも大切です。

こんな方は外食の内容を主治医や管理栄養士に相談してください

次のような方は、外食の工夫を主治医や管理栄養士と相談してください。

インスリンを使っている方
SU薬を使っている方
低血糖を起こしたことがある方
1型糖尿病の方
腎臓病がある方
高血圧がある方
脂質異常症がある方
妊娠を目指そうと思っている方、妊娠中、妊娠糖尿病の方
SGLT2阻害薬を使っていて極端な糖質制限を考えている方
摂食障害や強い食事不安がある方

特に、薬を使っている方が急に糖質を大きく減らすと、低血糖が起こることがあります。
また、SGLT2阻害薬を使用中の方では、極端な糖質制限や体調不良時に注意が必要な場合があります。

外食を楽しみながら安全に続けるためには、自己判断で極端な制限をするよりも、医療者と相談しながら調整することが大切です。

糖尿病でも外食できる?まとめ

糖尿病でも、外食を完全に禁止する必要はありません。

大切なのは、
何を、どれくらい、どの頻度で食べるか
です。

ポイントをまとめます。

外食は完全禁止ではなく、選び方と量が大切です。
ラーメンは、大盛り・替え玉・チャーハンセット・スープ完飲に注意しましょう。
寿司は、魚よりもシャリの量を意識しましょう。
コンビニ食は、主食+たんぱく質+野菜・海藻・きのこの組み合わせを意識しましょう。
ロカボ食品は便利ですが、食べ放題ではありません。
人工甘味料は、砂糖を減らすための道具として上手に使うことができます。
インスリンや低血糖を起こす薬を使っている方は、自己判断で食事を大きく変えず、主治医に相談しましょう。

糖尿病の食事療法は、我慢だけで続けるものではありません。

外食を完全にあきらめるのではなく、血糖値を見ながら、自分に合った楽しみ方を見つけていくことが大切です。

澤木内科・糖尿病クリニックでは、糖尿病専門医と管理栄養士が、患者さん一人ひとりの生活に合わせた食事療法を一緒に考えています。

外食で血糖値が上がりやすい方、何を選べばよいかわからない方、CGMを使って自分に合う食事を知りたい方は、自己判断で悩みすぎず、医療機関でご相談ください。

さらに詳しく外食の工夫を知りたい方へ

参考文献

日本糖尿病学会 編・著:糖尿病診療ガイドライン2024 第3章 食事療法
American Diabetes Association. Standards of Care in Diabetes—2026.
澤木内科・糖尿病クリニック:「食べてはダメ」はもう古い!糖尿病の最新食事療法、やってみたくなる5つのコツ

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