「食べてはダメ」はもう古い!糖尿病の最新食事療法、やってみたくなる5つのコツ

2型糖尿病について

こんにちは。澤木内科・糖尿病クリニック院長の澤木です。
突然ですが、こんなふうに思っていませんか?

「糖尿病の食事って、好きなものを全部ガマンしなきゃいけないんでしょ…」

実は、その考え方は時代遅れになっています。

『糖尿病診療ガイドライン2024』以降、食事療法の考え方が大きく変わりました。
もう「カロリーを厳しく制限するだけ」の時代ではありません。
患者さんひとりひとりの生活や好みに合わせて、自分に合った方法を選べる時代になったのです。

今回は「〇〇を食べてはダメ!」ではなく、
「これならできそう!」と思えるポジティブな食事のコツを5つ、わかりやすくご紹介します。


✅ コツ①「食べる順番」を変えるだけで血糖値が変わる

実は、「何を食べるか」と同じくらい「どの順番で食べるか」が大切です。

おすすめの順番はこれです。

① 野菜・海藻・キノコ類(食物繊維)
    ↓
② 肉・魚・卵(たんぱく質・脂質)
    ↓
③ ご飯・パン(炭水化物)は最後に

この順番で食べると、糖の吸収がゆっくりになり、食後の血糖値の急上昇を防ぐことができます。

さらに、よく噛んでゆっくり食べるだけで満腹感が得やすくなり、自然と食べ過ぎを防げます。お酢やオリーブオイルをうまく取り入れるのもおすすめです。
参照:澤木内科・糖尿病クリニック栄養士ブログ 野菜先食べ

今日からできるアクション: サラダやお浸しを”最初の一品”にするクセをつけましょう!


✅ コツ②「白いご飯」を「茶色い主食」に少しずつ替える

「主食を完全にやめる」は、正直キツいですし長続きしません。

そこでおすすめなのが、白米や食パンを”茶色い主食”に少しずつ置き換える方法です。

今まで 置き換え候補
白米 玄米・雑穀米・押麦入りご飯
食パン ライ麦パン・全粒粉パン
うどん そば・全粒粉パスタ

これらは「低GI食品」と呼ばれ、食後の血糖値の上がり方がゆるやかです。ガイドラインでも2型糖尿病の方に有用と認められています。

いきなり全部変えなくてOK。「週3回だけ押麦を白米に混ぜる」だけでも大きな一歩です。
参照:澤木内科・糖尿病クリニック栄養士ブログ 低GIって何?


✅ コツ③ お肉・お魚・卵はむしろしっかり食べる

「糖尿病の食事=全体的に少食にしなければならない」と思っていませんか?

主食の量を少し減らすぶん、肉・魚・卵・大豆製品・チーズなど、たんぱく質や良質な脂質はしっかり食べましょう

これは我慢ではなく、むしろ積極的に食べてほしい食品群です。たんぱく質が不足すると筋肉が落ちてしまい(サルコペニア)、かえって代謝が悪くなってしまいます。

主食を減らしたぶんは、おかずでしっかりお腹を満たすのが正解です。


✅ コツ④「完璧」より「小さな成功体験」を積み重ねる

食事療法は、完璧を目指した瞬間に挫折しやすくなります

最新のガイドラインでも、「達成可能な小さな目標を立てる」ことが推奨されています。たとえばこんな感じです。

  • 「夕飯のご飯を、今より一口分だけ減らす」
  • 「ランチのおにぎりを2個から1個にする」
  • 「週2回だけ野菜から食べ始める」

仕事の都合、家族との食事、大好きな食べ物、費用のこと
こうした「自分の生活で大切にしたいこと」を、
ぜひ遠慮なく主治医に話してください。

診察室は、正直に話してもらうほど、
あなたに合ったアドバイスができる場所です。
一緒に「続けられる作戦」を考えましょう。


✅ コツ⑤ 甘いものもお酒も「工夫次第」で楽しめる

糖尿病だからといって、甘いものやお酒を一生断つ必要はありません。

  • 甘いものが食べたい時: 市販の低糖質スイーツや糖質オフ商品を上手に活用
  • 晩酌を楽しみたい時: 主治医の許可のもと、糖質を含まない蒸留酒(焼酎・ウイスキーなど)を選ぶ

食べることは、人生の大きな楽しみです。
ガマンだけの食事療法では、心まで疲れてしまいます。
工夫しながら「食の楽しみ」を維持することも、立派な治療の一部です。

参照:澤木内科・糖尿病クリニック栄養士ブログ お酒を上手に飲みましょう

参照:澤木内科・糖尿病クリニック栄養士ブログ 糖尿病でも糖質ゼロだったらお酒(アルコール)を飲んで大丈夫?


まとめ:「ガマン」から「選ぶ」食事療法へ

古い考え方 最新の考え方
カロリーを厳しく制限する 自分に合った方法を選ぶ
〇〇を食べてはダメ 〇〇に置き換えてみよう
完璧にやらなければ 小さな一歩を積み重ねる
一生ガマン 工夫して楽しむ

「何を減らすか」ではなく、「何に置き換えるか」。
この視点の転換が、長続きする食事療法の秘訣です。

当院では、皆さんのライフスタイルに寄り添ったアドバイスを大切にしています。
「自分の場合はどうすればいいの?」と感じたら、どうぞお気軽にご相談ください。
一緒に、あなたに合った”続けられる食事療法”を見つけましょう。