中学生・高校生の糖尿病の医療費助成について

1型糖尿病について

📌 この記事は高槻市を例に説明しています。お住まいの市区町村によって、対象年齢・自己負担額・所得制限などの内容が異なります。詳細は必ずお住まいの市区町村の窓口にご確認ください。

「病院代って高いのかな…」「親に負担をかけたくない」
そんな不安を感じている中学生・高校生の皆さんに知ってほしいことがあります。
実は、糖尿病の治療にかかる費用を助けてくれる制度がいくつもあります。
このページでは、制度の内容と「どこに行けばいいか」をまとめました。ぜひ保護者の方と一緒に読んでみてください。

まず知っておきたい5つの制度

糖尿病の中学生・高校生が使える可能性のある制度は、主に次の5つです。

  1. 子ども医療費助成(市区町村の制度)
  2. 小児慢性特定疾病医療費助成制度(小慢)(国の制度)
  3. 特別児童扶養手当(国の手当)
  4. ひとり親家庭医療費助成(家庭状況による)
  5. 重度障がい者医療費助成(障がいの程度による)

① 子ども医療費助成(高槻市の場合)

高槻市では、健康保険に入っている18歳になった後の最初の3月31日までの子どもが原則として対象です(ひとり親家庭医療費助成・重度障がい者医療費助成の対象者はそちらが優先されます)。高校3年生の3月31日まで保険診療の費用がかかりません。2025年4月の診療分からは、入院時の食事療養費も無償化されています。

ただし、健康診断・予防接種・差額ベッド代などは対象外です。「子ども医療証」の申請が必要なので、転入・出生後は早めに申請しましょう。

🏥 大阪府外で受診したときは?
高槻市の医療証は大阪府内の医療機関では窓口で提示することで使えます。大阪府外で受診した場合や、うっかり医療証を提示せずに受診してしまった場合は、後日払い戻し申請が必要になります。旅行中や帰省中の受診には注意しましょう。

② 小児慢性特定疾病医療費助成制度(小慢)

国が定めた制度で、1型糖尿病・2型糖尿病・MODYなどが対象疾患に含まれています。ただし、「糖尿病」という病名だけで自動的に対象になるわけではありません。インスリンや糖尿病治療薬などを使用していることが条件で、食事療法・生活指導のみの場合は対象外となることがあります。

項目内容
対象年齢原則18歳未満。18歳時点で対象で治療継続が必要と認められれば20歳未満まで延長可能
自己負担原則2割。所得に応じた月額上限あり
受診できる場所指定医療機関のみ
申請窓口(高槻市)子ども保健課(高槻子ども未来館2F)
※子ども医療費助成は子ども政策課または各支所窓口が担当です

⚠️ 最重要:18歳を過ぎると新規申請ができません
高校生のうちに、まず市役所(高槻市:子ども保健課)で対象になりうるか確認し、その後に主治医に相談してください。18歳の誕生日を過ぎてからでは新規申請ができません。

③ 特別児童扶養手当

身体や精神に中程度以上の障がいがある20歳未満の子どもを自宅で育てているご家庭の父母(養育者)に支給される国の手当です。治療費にも生活費にも使えます。

等級月額(2026年3月時点)対象となる障がいの程度
1級56,800円重度の障がい(常時介護が必要な程度)
2級37,830円中度の障がい(日常生活に著しく制限を受ける程度)

※ 手当額は改定されることがあります。2026年4月から改定予定です。

糖尿病に関しては、血糖コントロールが非常に難しく日常生活に支障がある場合などに認定されることがあります。保護者の所得が一定以上の場合は支給されません。「対象かな?」と思ったら、まず市区町村の窓口に相談してみましょう。

参考:厚生労働省「特別児童扶養手当について」

④ ひとり親家庭医療費助成

お父さんかお母さんのどちらか一方と子どもが暮らしているご家庭向けの制度です。所得制限がありますので、まず窓口で確認しましょう。

高槻市では2025年4月診療分から18歳年度末までの子ども分は無償化されています。親側については1医療機関あたり1日500円以内・月2日まで自己負担があり、1か月の自己負担が2,500円を超えた分は申請で軽減されます。小慢など他の公費が優先されます。

⑤ 重度障がい者医療費助成

障がいの程度によっては、子ども医療費助成が終わった18歳以降も医療費の一部を助成してもらえる制度です。主な対象は、身体障害者手帳1・2級、療育手帳A、精神障害者保健福祉手帳1級などです。糖尿病だけで直接対象になる制度ではありませんが、条件によっては関係することがあります。高槻市の窓口にご確認ください。

動く順番|まず市役所へ、その後クリニックへ

  1. ① 市区町村の窓口へ:「糖尿病の子どもがいます。使える制度を教えてください」と伝えるだけでOKです
  2. ② 高校3年生のうちに:小慢の対象になるかを窓口(高槻市:子ども保健課)で確認する
  3. ③ 書類の準備:申請書・保険証・マイナンバーカードなどを窓口で確認しながら準備する
  4. ④ クリニックに相談:準備が整ったら、小慢の「医療意見書」の作成をクリニックに依頼する
  5. ⑤ 受給者証を提示:認定されたら受給者証を保険証と一緒に毎回提示する

まとめ

糖尿病は長く付き合っていく病気ですが、「お金がかかるから通院できない」ということがないよう、社会にはさまざまな助成制度があります。

大切なのは「まず市役所の窓口に行って聞いてみること」。「糖尿病の子どもがいて、使える制度があれば教えてください」と伝えるだけで大丈夫です。

特に小児慢性特定疾病医療費助成制度は18歳になってからでは新規申請ができません。高校生のうちに必ず確認しておきましょう。

当クリニックでも相談を受け付けていますので、遠慮なくお声がけください。

【参考】 高槻市子ども医療費助成高槻市小児慢性特定疾病医療費助成(子ども保健課)特別児童扶養手当(厚労省)小児慢性特定疾病情報センター(糖尿病)高槻市重度障がい者医療費助成
※ 制度の内容・金額は変更されることがあります。最新情報は各窓口にご確認ください。(2026年3月時点)